協業の中身としては具体的には、賃貸物件の空室情報を常時共有し、災害時には迅速に被災地の情報連係も行える体制を構築する。震度6弱以上の地震発生、もしくは警戒レベル5以上の「特別警報」が発令された場合は、両社グループで協議の上、「共同対策本部」を設置。速やかに被災地域の状況調査を行うとともに、物件の空室情報や被災者支援策を共有し、早期の災害復旧に役立てる。
大東建託 取締役 常務執行役員 守義浩氏は、「災害発生後は、現地で情報が錯綜(さくそう)したり、確認に困難を要したりするケースが想定される。両社グループ間で毎日正しい経過を報告し、情報共有手段の確保は心掛けていきたい」と話す。
特に賃貸住宅は、国内の全賃貸物件のうち、約13%を占める両社グループが管理する計約189万戸を活用する。被災者へ貸与可能な空室情報を共有するとともに、被災した賃貸住宅のオーナーと入居者に対しては、仮住まいとして無償で住戸を貸与。大和ハウスグループのロイヤルホームセンターとも連携を図り、災害用備蓄品や復旧用資機材を必要に応じて供給する。さらに、大和ハウス工業が全国9カ所の保有工場に設置している移動式貯水タンクを利用し、生活用水の配給も行う。
また、両社グループの施工部隊も活用し、被災住宅の修繕などの復旧活動に携わることも想定している。施工スタッフが被災地に赴き、その場で修繕して2次被害を防ぐことも実現できるように、現在は準備を進めている最中だという。
大和ハウス工業 取締役 常務執行役員 集合住宅事業本部長 出倉和人氏も、「大手不動産企業として業界をけん引している2社で協力し合うからこそ、全国規模で、より広範囲にわたって有事の災害支援ができると自負している」と意気込みをみせる。
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