熊本県益城町に“シリコンヒルズ”が誕生 大和ハウスが110億円で工業団地を開発ロジスティクス

大和ハウス工業は、約110億円を投じ、熊本県益城町に工業団地「DPI(ディープロジェクトインダストリー)シリコンヒルズ熊本」を開発する。現在、造成工事を進めており、2024年5月に完了した後、積極的に企業誘致を行い、2027年冬に全施設の完成を見込む。

» 2024年01月26日 16時00分 公開
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 大和ハウス工業は2023年12月20日、熊本県益城町に工業団地「DPI(ディープロジェクトインダストリー)シリコンヒルズ熊本」の開発工事に着手した。約110億円を投じ、福岡 PayPayドームを上回る約7.9万平方メートルの敷地を工業団地を整備し、半導体関連企業の工場や食品工場などの誘致を見込む。

 着工に先立ち、益城町と2023年8月25日に、産業の振興と雇用機会の拡大に寄与するため、工業団地に関する協力協定を締結している。

半導体関連企業の工場や食品工場などの用地を想定

「DPIシリコンヒルズ熊本」計画地の空撮 「DPIシリコンヒルズ熊本」計画地の空撮 出典:大和ハウス工業プレスリリース

 DPIシリコンヒルズ熊本は、合志市と菊陽町にまたがる「セミコンテクノパーク」など、大型半導体関連施設が相次いで建設されているエリアから約10キロと近接し、半導体関連企業の工場や食品工場などにも適した立地。また、九州自動車道「益城熊本空港インターチェンジ」から約8キロ、熊本空港から2.5キロ、熊本駅から18キロに位置し、自動車輸送から空輸、貨物輸送まで対応可能な交通アクセスに優れた立地特性を有している。

 敷地面積は、「福岡 PayPayドーム」の約1.1倍となる約7.9万平方メートル(販売予定面積は約7.4万平方メートル)で、約8200〜1万7000平方メートルの6区画に分割。機械や食品の製造工場の建設に適した大型の区画を用意しているだけではなく、工場に関連する研究施設や倉庫など、企業の事業展開に沿ったエリア拠点の新設にも対応する。

 スケジュールは、2023年12月20日から造成工事に着工し、2024年5月に完了。2024年夏以降に建物の建設工事が始まり、2027年冬に全施設の竣工を見込む。

「DPIシリコンヒルズ熊本」の1区画割図 「DPIシリコンヒルズ熊本」の1区画割図 出典:大和ハウス工業プレスリリース

 大和ハウス工業は、工業化建築のパイオニアとしての技術力と、製造施設や物流施設、オフィスなどの施工実績を生かし、工業団地を開発してきた。2007年4月には、初の工業団地「富士御殿場工業団地」を新設し、以降、グループの施工ノウハウやコンサルティング力で、国内外で工業団地を展開している。さらに地域行政との密接な連携で、工業団地への企業誘致活動を積極的に行い、地域経済の活性化にも貢献している。

 今後は、益城町と連携しながら、産業の振興と雇用機会の拡大を図り、積極的に企業誘致を行い、地域の活性化につなげる。

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