建設業関連6業種の第2四半期決算実績(2024年3月期)をまとめた。いずれの業種も売上高は前年同期比で増加したが、長引く建材やエネルギーの価格上昇により、収益力が低下しているケースも見られた。
BUILT編集部では、建設業関連6業種(総合工事業、土木工事業、電気・電気通信設備工事業、管工事業、プラント・エンジニアリング業、住宅・不動産業)の上場主要10社(計60社)における第2四半期決算実績(2024年3月期)をまとめた。
第2四半期期間の国内建設市場では、民間工事、公共工事ともに発注が堅調に推移した。その一方、建設資材やエネルギー価格の高騰や人件費上昇などによる建設コストの増加が指摘されている。
第2四半期は6業種(主要10社合計)全てで、売上高が前年同期を上回った。純利益も4業種で増益となった。
総合工事業主要10社の合計額は、売上高5兆8740億8900万円(前年同期比12.3%増)、営業利益2028億800万円(同0.5%減)、純利益1647億6300万円(同3.9%減)の増収減益となった。
個別企業では6社で増収増益だった。スーパーゼネコン4社をみると、鹿島建設、大林組、大成建設の3社では増収減益となった。
清水建設は手持ちの大型工事が順調に進捗し、売上高が前年同期比13.4%増加した。一方で、工事採算の低下に伴う完成工事利益の減少などにより営業利益は98.5%減少した。純利益は、特別損失に保有株式の売却に伴う固定資産売却益などを計上した結果、前年同期比44%増加した。
鹿島建設は、売上高が前年同期比14.8%増、営業利益が同2.4%増加したものの、経常利益は海外開発事業に係る営業外収益の減少などにより同8.0%減、純利益も同8.6%減少した。
大林組の売上高は前年同期比17%増加。一方で、過年度に受注した不採算工事の進捗による完成工事の総利益減少に加え、人権費や研究開発費の増加による販管費の増加などから、純利益は前年同期比22.7%減少した。
大成建設は、土木、開発事業の増加で売上高が前年同期比2.7%増加した。売上総利益は建築事業の利益率低下で同10.9%減、販管費は同5.1%増、営業利益は同41.7%減少した。純利益は投資有価証券売却益の増加などに伴い特別損益が好転したものの、同19.7%減となった。
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