PLATEAUとアルテアのCFD解析で都市の気温上昇をシミュレーション、気候変動予測の先端研究ATC Japan 2023(2/3 ページ)

» 2023年12月14日 08時11分 公開
[川本鉄馬BUILT]

PLATEAUを活用して、将来の温度環境をシミュレーション

 名古屋市と西東京市の事例は、場所こそ違えど同じ手法を用いている。双方とも、PLATEAUの3D都市モデルをAltairのCFD(数値流体力学)解析技術を使って解析している。

 シミュレーションを行った山崎氏を含むスタッフは、温熱環境の専門家ではなく、街づくりや都市計画の専門家だ。そのため、山崎氏は温度環境のシミュレーションを自治体や街づくりの組織がどのように受け取り、どう活用するかにも関心があった。

PLATEAUの3D都市モデルをAltairのCFDで解析 PLATEAUの3D都市モデルをAltairのCFDで解析 提供:山崎潤也氏

 CFDの解析にあたっては、PLATEAUの3D都市モデルから対象地域を読み込む。大空間に置いた対象地域のデータに、横から指定した温度の空気を送って表面温度を解析した。

 今後、気温がどのくらい上昇するかは、他の研究で予測値が出ているため、今回のシミュレーションでは、その予測値を反映した温度の空気を送ることで、将来、温度が上昇した環境を再現した。

PLATEAUの3D都市モデルをAltairのCFDで解析 CFD解析の環境。PLATEAUの都市モデルを空間内に置き、その空間に対して任意の温度に設定した空気を送る 提供:山崎潤也氏

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.