シノダックは、メタバースを活用した安全講習を開始した。建設現場や倉庫での危険作業となる高所足場からの落下体験や倉庫内での整理整頓をVR空間上で仮想体験する。
地方でテントの設計・製造・施工を行うシノダックは2023年11月7日、メタバースを用いた安全講習を開始したと発表した。
安全講習では、建設現場や倉庫における危険作業として、高所足場からの落下体験や倉庫内での整理整頓を、VR(仮想現実)ゴーグルを用いて仮想体験する。
シノダックは従業員数約30人の岐阜県の企業で、テントの製造から施工までを担っている。VR安全講習は、女性の役員が商工会議所でVRゴーグルを用いたメタバースを体験したことがきっかけとなり、VRコンテンツの制作会社とともに企画を進め、採用に至った。
VR安全講習では、実際に体を動かしながら危険状況を体験することで、言語を用いず、誰でも理解できる点がメリット。特に、言語によるコミュニケーションで壁がある外国人実習生や長時間講習の受講が困難な高齢者の社員の啓発に役立つという。
外国人実習生がメタバース内で、マンションの5階くらいの高さの仮設足場からの転落体験したところ、予想以上のリアクションが返ってきたという。
シノダックでは、「当社のような地方の小規模な建設業者が最先端技術を取り入れることはまれであり、こうした前例のない試みが、これからの田舎の建設業者には必要な挑戦だと思いっている。安全は建設業の最優先事項であり、革新的なアプローチが、事故防止という重要な目的のために、新しい時代の教育方法になってくれれば」とコメントしている。
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