パナソニック ホームズは、全館空調システムの空気を循環させて浄化する「HEPAフィルター」に、インフルエンザウイルス感染価を低減する効果があると実証試験で証明した。
パナソニック ホームズは2023年11月9日、日本繊維製品品質技術センター(QTEC)と共同で、全館空調システム専用のHEPAフィルターがインフルエンザウイルスを浮遊させた単室空間で、“ウイルス感染価”の低減効果があると発表した。ウイルス感染価とは、感染力を持つウイルスの数。
パナソニック ホームズはこれまで、専用HEPAフィルター単体で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)やA型インフルエンザウイルス(H3N2)を99.98%以上捕集することが2023年2月と同年6月に行った実証試験で証明されている。
今回の検証は、HEPAフィルターでの循環浄化を3水準の相当換気回数(毎時0.5・2.0・3.5回)で測定比較。一般的な換気の換気回数で希釈され得る低減効果(理論値)と、HEPAフィルターで空気循環浄化された空間のインフルエンザウイルス感染価の低減効果を比べている。
その結果、HEPAフィルターによるウイルス感染価の低減は、一般的な換気で希釈される理論値に比べて大きく、相当換気回数が増すほど効果が増すとの結果が得られた。
全館空調システムは、専用エアコン1台で、居室だけでなく廊下や洗面室などの非居室空間も含めた全館を換気/空調するシステム。室内を循環する空気は、“PM2.5”をはじめ、0.3マイクロメートルの微粒子を99.97%以上捕集する高性能なHEPAフィルターで浄化される機能も併せ持つ。今回の結果によって、HEPAフィルターを搭載した全館空調システムは、ホコリ、花粉、PM2.5に加え、室内に発生したウイルス低減の効果も期待されることが分かった。
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