MetaMoJiのデジタル野帳「eYACHO」に、BIM連携の新機能が搭載される。eYACHO上でBIMモデルをスムーズに扱えるブラウジング技術を採用し、BIMソフトウェアが無くとも、設計モデルから施工図面や計画表の出力や3次元の干渉チェックなどが行えるようになる。
MetaMoJiは、デジタル野帳「eYACHO for Business」にBIM活用機能を搭載した新バージョンを2024年度の発売を目指し、開発を進めている。eYACHOにBIM機能が加わることで、設計から施工をまたぐプロセスでBIM活用の後押しとなることが期待される。
そもそも野帳(レベルブック)とは、屋外での利用に適した耐久性の高いメモ帳を指し、建設現場では備忘録や測量結果の記録、簡単な打ち合せのメモなど多様なシーンで利用されている。
MetaMoJiのeYACHOは大林組と共同開発し、2015年8月から提供を開始している。大林組の建設業界における知見を生かしたテンプレート、アイテム、タグを組み込むことで、野帳の手軽さはそのままに、デジタル特性である効率的な管理機能を備える。
主な機能としては、紙とペンのようにスイスイ書ける「ノート編集機能」、写真を直接貼って手書きメモが残せる「写真機能」、オンラインで図面チェックなどの「承認機能」などがある。他にも、PDFで読み込んだ図面の縮尺設定や建設用語約4万語を収録した手書き入力アプリ「建設mazec(マゼック)」なども備えている。
今回のBIM連携は、従来はBIMソフトウェアを使用するためには大量のコンピュータリソースや高速通信回線が必要で、そのことは建設現場でのBIM普及の障壁となっていた。eYACHOのBIM連携では、BIMデータを高速閲覧できるブラウジング技術を採用し、BIMソフトをインストールすることなく軽快に3D図面を扱えるようになり、eYACHOを利用するさまざまな現場作業でBIMの利便性が得られるとしている。例えば、現場でのBIM利用で、2次元図面では分かりづらかった部分を視覚的に把握可能になったり、施工計画の作成でも、設計図面から施工図面や計画表を起こす手間が簡素化されるだけでなく、干渉の早期発見が容易になるなど、品質面での改善にも役立てられる。
特にeYACHOの「リアルタイム情報共有機能」と併せて利用すれば、日々の作業前に行われる作業間調整会議や作業計画確認でも、会議や確認作業の時間短縮とともに、3D図面のチェックで問題発見が促され、作業の手戻りを防げる。施工作業の検査業務でも、より具体的に場所や状況を示せる3Dならではのメリットが生きる。
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