応用技術と美保テクノスは、BIM活用での両社の協業に関する中間発表会を開催した。設計、施工、維持管理の全工程をBIMで運用する「Full-BIM」を検証しており、実運用への課題が判明している。
応用技術と美保テクノスは2023年7月、BIM(ビルディング インフォメーション モデリング)活用での両社の協業に関するMOU(基本合意書)についての中間発表会を開催した。
両社は、2022年2月にMOUを締結している。シンプルで容易に導入できるBIMの活用方法をパッケージ化し、建設業の関係者に展開することを目的に協業した。
2022年2月〜2023年3月までを検証フェーズに位置付けている。対象物件の選定や実行計画を策定し、具体的な検証を実施した。
同フェーズでは、「鳥取県西部総合事務所新棟・米子市役所糀町庁舎整備等事業」および「美保テクノス株式会社本社屋新築工事」にて、設計や施工、維持管理の全工程をBIMで運用する「Full-BIM」に取り組んだ。
顧客の要求事項の可視化や消費電力の最適化、建物の空調能力、情報共有の最適化など、BIMのメリットを確認できた一方で、BIMを活用するための下地が施工者側に欠けていたことから、実運用には多くの課題があることが判明している。
これに対する取り組みとして、美保テクノスは2023年2月にBIMの国際規格「ISO-19650」の認証を取得し、BIM運用プロセスの標準化を図っている。応用技術は同認証取得をサポートした。
また、BIM運用における具体的な課題として、「施工時の設計仕様の積み残しが発生してしまう」「図面中心の従来のワークフローが存在する」「ツールが多く利用が浸透しない」の3点が明らかになった。
これらに対して、それぞれ「正確なBIMモデルの作成」「BIMプロセスの明確化」「BIM情報のマネジメントの実施」により課題解決を進めるとした。
美保テクノスは今後、プロジェクトでのさらなる検証や課題解決に向けたツールのパッケージ化を進める。
応用技術は今後、BIM運用上で必要なタイミングに情報を瞬時に取り出せるダッシュボードの2023年度内リリースを目指す。また、美保テクノスと共同で開発したツールの販売およびサポートを実施する。
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