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» 2023年08月10日 14時00分 公開

大成建設とアクティオが開発したミキサー車へ生コンを“自動供給”する「T-コンサプライヤー」スマートコンストラクション

大成建設とアクティオは、生コンの使用量に応じてミキサー車のドラム回転数を自動制御し、吹付け機やコンクリートポンプへ生コンを自動供給する装置「T-コンサプライヤー」を開発した。

[BUILT]

 大成建設とアクティオは、山岳トンネル工事やダム工事などのコンクリート吹付けや打設作業を対象に、ミキサー車からの生コン供給を自動化する装置「T-コンサプライヤー」を共同で開発したと2023年7月21日に発表した。

 T-コンサプライヤーは既存のミキサー車に後付けが可能で、従来のように人力で生コンの供給操作を行う必要がないため、コンクリート吹付けや打設時の作業環境改善と省人化が図られ、担い手不足の解消につながることが期待される。

吹付け機やコンクリートポンプへミキサー車から生コンを自動供給

 山岳トンネル工事でのコンクリート吹付け、ダムや明かり工事でのコンクリート打設作業では、粉じんや排気ガスの発生、低温/高温といった過酷な環境下でも、生コンを連続して供給するためミキサー車の操作を人力で行う必要があり、作業完了までミキサー車から離れられなかった。

従来のトンネル吹付時でのミキサー車操作状況 従来のトンネル吹付時でのミキサー車操作状況 出典:大成建設、アクティオプレスリリース

 そこで、大成建設とアクティオは、吹付け機やコンクリートポンプの生コン使用量に合わせて、ミキサー車のドラム回転数を自動制御しながら生コンを自動供給する装置としてT-コンサプライヤーを開発するに至った。

T-コンサプライヤーの構成と系統図 T-コンサプライヤーの構成と系統図 出典:大成建設、アクティオプレスリリース

 T-コンサプライヤーは、「吹付け機・コンクリートポンプ側装置」と「ミキサー車側装置」で構成。吹き付け機・コンクリートポンプ側装置は、吹付け機などのホッパー内の生コン量をホッパー上方に取付けた検出装置で測定する。測定した生コン量に合わせ、判断装置でミキサー車の最適なドラム回転数を算出し、通信装置でミキサー車へ無線送信。ミキサー車の稼働時には、3色灯で吹付け機やコンクリートポンプのホッパー内の生コン量が「正常」(緑色)、「過剰」(黄色)、「ミキサー車内の生コンが空」(赤色)で生コンの供給状況を表示する。

 ミキサー車側の装置は、吹付け機・コンクリートポンプ側装置から送信されたドラム回転数などの情報を受信。送られてきたドラム回転数の情報をもとに、生コン供給量制御装置でドラム回転数を制御する。

 なお、自動供給装置は、汎用性が高く、既存のミキサー車に後付けできる。

T-コンサプライヤーの全景 T-コンサプライヤーの全景 出典:大成建設、アクティオプレスリリース

 T-コンサプライヤーの現場導入で見込まれる効果としては、人力による生コン供給操作が不要となり、過酷な環境下での作業がなくなるため、作業環境の改善が図れる。他にも、大量打設や長時間に及ぶ供給に加え、ミキサー車の待機や折り返し運転といった施工現場の条件に合わせて、少人数でも効率的な対応が可能になる。

 さらに、ミキサー車の運転手はレバーの調整など生コン供給操作を行わなくても済むため、未経験者でもミキサー車の運転や配車に応じられるようになり、担い手不足の解消に向けた対策に成り得る。

 今後、大成建設とアクティオは、トンネルやダム、明かり工事でのコンクリート吹付け/打設作業などのミキサー車を用いた生コンを供給する作業に適用するだけでなく、トンネル切羽の吹付け作業自動化に向けた要素技術としても活用を目指す。

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