戸田建設とSpiralは、非SLAM型自律飛行ドローンを用いた3次元座標取得の検証を開始した。SLAM技術を用いずに飛行を制御するため、特徴点が少ない山岳トンネルなどの場所においても高速かつ長距離の飛行が可能となっている。
戸田建設とSpiralは2023年3月16日、非SLAM型自律飛行ドローンを用いた3次元座標取得の検証を開始したと発表した。
同検証においては、自律飛行の制御機構にSpiralの「MarkFlexAir(マークフレックスエアー)」を採用した。同システムでは、ドローンが飛行情報を記憶した専用マーカーを読み取ることで、自律飛行が可能となる。
飛行中は、接触防止センサーや距離計を用いて障害物を回避する。専用のアプリケーションを用いることで、Wi-Fiを通じて内蔵4Kカメラ(30フレーム/秒)の画像情報を取得できる。
また、SLAM技術を用いずに飛行を制御するため、特徴点が少ない山岳トンネルなどの場所においても高速かつ長距離の飛行が可能となっている。
内蔵のステレオカメラによる撮影画像を用いて、Visual SLAMおよびSfM(Structure from Motion)によってポイントクラウド(点群座標)を作成。ステレオカメラを採用したことで、ポイントクラウド上での距離の算出が可能となっている。
標定点などにより補正しない場合で、飛行距離に対する誤差は3%程度となった。
今後は、自律飛行用のマーカー情報に座標を付与するほか、ポイントクラウド作成用のアルゴリズムを改良することで、ドローン座標や各設備の座標取得の高精度化を図る。
また、接触防止機能を改善し、重機類が輻輳(ふくそう)する環境下での自律飛行も可能とする。さらに、3次元座標情報とAI(人工知能)を連携させることで、生産性を向上させる技術の開発も進める。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.