ゼネコン9社が開発した設計自由度の向上とコスト削減が見込める「異幅柱接合部工法」が、構造性能評価を取得した。
青木あすなろ建設、淺沼組、安藤・間、北野建設、鴻池組、五洋建設、鉄建建設、長谷工コーポレーション、矢作建設工業は、「異幅柱接合部工法」について、日本ERIから構造性能評価(ERI-K22001)を取得したと2023年5月26日に公表した。
異幅柱接合部工法は、上下階の角形鋼管の柱幅が異なる鉄骨造の建物で、在来工法と比較して、設計自由度の向上とコスト削減が実現する。
今後は、異幅柱接合部工法をオフィスビルや商業施設、物流倉庫などの建物の中間階や最上階に、積極的に採用していく。
鉄骨造の建物で、倉庫のように最上階の屋根が軽い場合や複合施設のように上下階で用途や階高が異なる場合、上階の柱幅を下階よりも小さくすることがある。上下階の角形鋼管の柱幅が異なると、従来は上方に向かい柱径を絞るテーパー管を接合部パネルに用いていたが、製作難易度が高く、コストアップや納期に留意する必要があった。
一方、上部通しダイアフラムを介して上階柱と接合部パネルを単純に接合する異幅接合形式を採用することもあるが、上階柱と下階柱の径差は、日本建築学会の鋼構造接合部設計指針によって、50ミリまでに制限されている。
異幅柱接合部工法は、建物をより低コストで合理的に設計するために、角形鋼管の異幅柱接合形式の径差が大きい場合でも適用できることを目的として開発した技術。
異幅柱接合部工法の設計法で、通しダイアフラムが上階柱に先行して破壊しない板厚となるように調整すれば、上階柱と接合部パネルと下階柱の径差で150ミリ以下までが適用可能になる。また、接合部パネルと下階柱の大きさは、300ミリ以上から800ミリ以下まで対応する。
コスト面では、従来のテーパー管形式と比較して、柱梁接合部1か所あたり10万円程度の低減効果が期待できる。
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