日建設計は、BIMの建物情報「BI(ビルディングインフォメーション)」に着目し、大学病院の設計案件で、意匠・構造・設備のBIM連携=デジタルリレーを試みた。
日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ 浅川卓也氏は、「Archi Future 2022」(会期:2022年10月28日、TFTホール)で、「設計はデジタルリレーの時代へ―大学病院の設計における建築情報を部門間で活用した設備設計者の挑戦―」と題して講演した。講演では、建物情報の伝達にフォーカスし、大学病院の設計を例にデジタルリレーで情報伝達するために何が必要かを解説した。
BIMは、意匠・構造・設備などを総合してデータ管理することで、本当の意味で活用できる。しかし、実際の現場での各部門間のやりとりは、大部分が2次元CADや紙を使ったアナログ的な手法でバトンタッチされている。
日建設計 エンジニアリング部門 浅川卓也氏は、設備設計グループに所属するため、設備設計の立場から、意匠・構造・設備が連携=デジタルリレーすることで設計作業の効率が向上し、負荷も軽減されると訴えた。浅川氏がデジタルリレーに取り組んだのは、設備エンジニアなことが影響している。
浅川氏は、「設備エンジニアは技術計算をしてナンボ」と語るが、情報がデジタルリレーすることで、設備エンジニアは早い段階で設計が始められる。と同時に、設計変更にも柔軟に対応できるようになる。
浅川氏は、BIMを“BI(ビルディングインフォメーション)+M(モデル)”と捉え、設計情報を共有するためのプラットフォームとして位置付けている。浅川氏が示すのは、その大部分がアナログでやりとりされている設計情報を、デジタル化するメリットと手法だ。
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