住居の省エネ能力を高めるにあたり、住居が高気密であれば、少ない空調設備のエネルギーで室内の温度を快適に保てる。しかし、それはエアコンなどの空調設備で電気を消費することが前提となっている。
その点、代々木参宮橋テラスでは、自然の風を利用して室内空間を快適にする手法を採用した。玄関ドア横に換気口を設け、居室の窓を開けることで自然な風の流れを作り、住居者の帰宅直後にも、速やかな換気による温度調整が行える。
換気口で自然な通気が行えるのは、先に紹介した住居棟の配置やコリドー、中庭の存在との相互作用によるところが大きい。なかでも各階を完全に覆わないコリドーは、自然の風を換気口へ導くのに好都合。夏場は、中庭の植栽で温度が下がった外気を室内に取り入れられるだろう。
Nearly ZEH-M認証の取得にあたっては、全ての住戸に高い外皮性能を条件としている。代々木参宮橋テラスでは、条件を満たすため、外壁に75ミリの断熱材を使用した。さらに住戸間の壁や床の断熱、トリプルガラスを使った木製サッシなども採用している。冬季に空調を入れない状態でも、室温は15度を下回らない環境を実現した。
ちなみに、代々木参宮橋テラスが備えるHEAT20のG3グレードは、北海道で断熱性能の基準となるG2を上回るHEAT20の最高グレードとなる。代々木参宮橋テラスでは、このような高い断熱性能により、少ない電力で効率の良い室内環境を実現している。
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