古河電気工業と大阪府と進めていた道路標識や道路照明の点検を効率化する実証実験が完了した。実験では、道路附属物維持管理ソリューション「みちてん」シリーズを用い、正確な状況把握と点検表の自動作成を実現した。
古河電気工業は、2022年7月に開始した大阪府との道路附属物点検支援実証実験を2023年3月に完了したと同年5月17日に公表した。
実証実験の結果、独自のRPA(Robotic Process Automation)技術を用いた道路附属物維持管理ソリューション「みちてん」シリーズの導入で、道路附属物の正確な把握とデジタル台帳(点検表)の作成について、業務効率化が期待できることを確認したという。
国土交通省は、2014年の「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言」以降、標識や照明などの道路附属物の点検要領を示しているが、数が膨大で業務負荷が高く、点検実施率は低い状況にある。
こうした状況から、古河電気工業と大阪府は、デジタル技術を活用した道路附属物の効率的な台帳整備や維持管理に向けて、みちてんシリーズの有効性を検証する実証実験を2022年7月19日〜2023年3月31日の期間で実施した。対象は、国道176号の兵庫県境から大阪市境までの約12.3キロに設置された道路標識と道路照明。
実証実験では、ドライブレコーダーを搭載した車両を走行させて動画を取得し、みちてんシリーズを用いた動画解析で、点在する道路案内標識や道路照明施設の約650基)の位置情報を抽出し、デジタルの点検表(施設諸元)と一覧表を自動作成した。約650基の現況を正確に把握した結果、「過年度点検表がない」もしくは「撤去された」などの標識と照明の特定に至った。
今回の成果物は、大阪府が管理するデータベースの諸元データとして活用する取り組みも今後行う。
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