鹿島建設は、建設現場の建設資材の個別情報をWeb上に登録し、GNSSで取得した位置情報と紐付けることで、大量の資材の位置情報を瞬時に把握できるシステム「Kトレース」を開発した。同社は、「丸亀城石垣崩落復旧整備事業」の石材管理に採用し、1万個以上の石材を簡易・迅速・正確に一元管理できることを実証した。
鹿島建設は、建設現場の建設資材の個別情報をWeb上に登録し、GNSS(Global Navigation Satellite System:衛星測位システム)で取得した位置情報と紐付けることで、大量の資材の位置情報を瞬時に把握できるシステム「Kトレース」を開発した。
同社は、これを香川県丸亀市で施工中の、「丸亀城石垣崩落復旧整備事業」の石材管理に採用し、1万個以上の石材を同市内の3カ所の仮置き場で保管・管理する際、Kトレースにより石材を簡易・迅速・正確に一元管理できることを実証した。
建設現場の仮置き場では類似の資材が多数あり、資材を置く順番と使用する順番が異なるなど、資材の選定間違いが発生しやすい。対策として、各資材の認識番号などの個別情報と位置情報を記録・保存する方法などがあるが、手作業のため人為的な間違いや、記録や資材の抽出作業に多大な労力と時間を要していた。
同整備事業では、まず、崩落および解体した石垣の各石材に対し、認識番号、寸法、重量、各面の写真などの個別情報をKトレースに登録する。次に、3カ所ある仮置き場に石材を搬入し、GNSSの測位による位置情報と個別情報とを紐付けて保存する。そして、石垣立面図および番付図を基に、作業日に使用する石材の認識番号をKトレースで検索すると、仮置き場名と石材の位置を瞬時に表示する。
必要な石材を最小限の時間で抽出し、誤った石材の抽出による手戻り作業の防止、工程の遅延を回避できることを確認した。
その他、測位サービスの付加により、水平精度±5センチメートルのより正確な位置情報が把握できる。また、データはクラウドサーバに自動保存され、保存と同時にRPAでのデータ処理が可能、インターネット環境さえあれば、スマートフォンやタブレットなどのデバイス機器で利用できる。
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