NECファシリティーズは、NSCが黒鉛高純度化事業への参入を見据えて導入する加工設備の環境付帯設備の設計・施工を受注した。
NECファシリティーズは2023年1月17日、NSCがガラス基板の加工技術を活用して、リチウムイオン電池に使う黒鉛高純度化事業への参入に向けて導入する加工設備設計と施工を受注したと発表した。設備は2024年3月に竣工する予定。
NSCは、液晶ディスプレイなどに使われるガラス基板の加工を主力事業として展開しており、化学薬品でガラスを溶解し、薄くかつ軽く加工する薄型化ケミカル技術を有している。ガラス成分と天然黒鉛の成分が類似していることから、近頃はこの技術をリチウムイオン電池などの材料となる黒鉛の高純度加工へ応用する技術を研究し、市場参入に向け、黒鉛の高純度化加工から廃水処理まで一貫した量産ラインの立ち上げを計画している。
NECファシリティーズは長年の間、半導体や電子部品工場を中心に化学薬品による環境負荷の低減に貢献する付帯設備の構築で実績を積み重ねてきた。そのなかでもフッ素とホウ素が混在する排水処理には多くの顧客から好評を得ており、これまでNSCのガラス基板加工工場の環境付帯設備を構築し、高濃度フッ酸の再利用や排水/排ガス処理の領域で磨いた実績が評価されたことから、今回の受注に至ったという。
NECファシリティーズは、今回の環境付帯設備の設計と施工で具体的には、高品質な加工品生産を支援しつつ、環境負荷の低減に貢献するために全体最適の観点で、薬品供給設備や排水処理設備、排気処理設備などの設計・施工を担うこととなる。
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