コロナ禍をきっかけにテレワークが普及するなか、企業が対応すべき課題が顕在化している。それは、会社への帰属意識の薄れや自宅勤務での孤独感など、コミュニケーションに関するものが多い。コロナが沈静化しつつある今で、企業によって目指す方向が異なる例も見受けられる。引き続きテレワークを続行・強化する企業がある一方で、オフィスへの回帰を進め“週に○日以上”といった出社日数を定める企業もある。内田洋行は、このような課題と多様化するワークスタイルに対し、「チーム」にフォーカスした新しいオフィス環境を提案する。
内田洋行は2022年11月14日、東京都中央区の新川第2オフィスにて、ICT/オフィス新製品とハイブリッドワークの場としてリニューアルしたオフィスを発表した。
発表会では、同年11月15日〜18日の日程で開催した「UCHIDA FAIR 2023」に先駆け、新製品を紹介するとともに、新川第2オフィスに導入した働く人々が個々に心地よさを感じる6つのオフィスシーンを披露するオフィスツアーを行った。
発表会冒頭、内田洋行 代表取締役社長 大久保昇氏が登壇し、UCHIDA FAIR 2023」のコンセプトを説明した。
内田洋行は、“「人」と「データ」の時代”という言葉を中期経営計画で掲げている。政府や民間では「DX」が叫ばれて久しいが、日本におけるDXは“デジタル化”であり、デジタル化はデータを生成する。
大久保氏は、「データを使ってどう変革していくかが重要であり、人によって推進されるため、人は重要な位置を占めている」と説明する。バブル破綻によって停止状態にあった日本での人への投資も、コロナ禍を経験してやっと注目される時代になった。
ワーカーの業務は、一人で行うソロワークが70%、グループワークが30%の割合。内田洋行の知的生産性研究所の調査では、ソロワーク/グループワークのいずれでも「オフィスの方がやりやすい」という結果が出ている。日本の傾向としては、他国と比べて「会議」「コラボレーション」「交流/ネットワーキング」分野でオフィスの利用度が高いという調査結果がある(出典:スチールケースの2021年秋調査)。
別の調査会社による2022年4月のデータによると、週に4日以上出社する人は40%を超えている。人が徐々にオフィスに回帰する中、センターオフィスに期待される機能は上がっている。大久保氏は、特にグループワークの支援やワーカーの働きやすさに対する機能が求められていると説明する。
内田洋行は、ABW(Activity Based Working)が普及する前から、働く人が能動的に業務を遂行する共有地として「Active Commons(アクティブ・コモンズ)」という概念を提唱してきた。今回の発表会では、ハイブリッド時代のActive Commonsとして、2つのテーマを提唱。「Team Base(チーム・ベース)」と「心地よい空間」だ。
Team Baseは、戦略の拠点であり、イノベーションを生み出すチームのための場。UCHIDA FAIR 2023では、メンバーをつなげて働く環境に対し、必要な情報をコントロールできる空間としての提案が行われる。一方の「心地よい空間」は、個々の社員が一体感や安らぎを感じられ集中して自律的な仕事ができる場で、仲間に気軽に相談できるようなスペースとなる。
Team Baseと心地よい空間は、内田洋行ならではのICTと空間構築力によって、Active Commonsの空間として実現される。
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