ニチコンの担当者は、自社の強みを「蓄電池だけ、あるいはV2Hだけという会社はあるが、その両方を手掛け、家庭から事業所まで幅広くカバーしていることにある」と語る。
ブースに展示されていたEV/PHV用の急速充電器は、ニチコンが2022年9月に販売を開始した2タイプのうち「100kW出力/2口」タイプだ(展示されていなかったもう1つの新製品は「50kW出力/1口」タイプ)。既に同社は4タイプの出力(10kW、25kW、35kW、50kW)の急速充電器を生産・販売しており、今回、2タイプが加わったことで、2021年12月に初号機を設置した200kWマルチ(6口)急速充電器と合わせて、大出力急速充電器の製品ラインアップがそろう。
2タイプの新製品は、どちらも最新のCHAdeMO Rev2.0.1認証を取得。担当者が「スペースに限りのある駐車場でも利用できるサイズにこだわった」と話す通り、設置面積はわずか0.28平方メートル。商業施設や事業所、給油所などでの利用を見込む。
スペースの関係で今展ではパネル紹介となった「DC型産業用蓄電システム」は、2022年6月に販売を開始した事業所や公共施設向けの蓄電システム。太陽電池の発電電力を直流/交流変換を介することなく、高効率でEV/PHVに充電できる他、EV/PHVからも三相・単相の特定負荷への給電が可能。温室効果ガス削減効果と、災害時に対応する高いレジリエンス性をもつシステムだ。
いまはあらゆる企業がカーボンニュートラル実現に向けて、環境への取り組みは待ったなしの状況にある。そのキーといえるエネルギー関連を扱うニチコンの今後の展望について、担当者は「当社は、もともとコンデンサーの会社で、環境エネルギー関連商品を開発・販売を始めたのはここ10年くらいのこと。V2Hを含め、V2Xの技術はまだまだ新しい技術で、今後も普及のために認知度を上げていきながら、取り組みを加速していきたい」と力強く語った。
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