第7回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−

施工計画シミュレーションと重機の遠隔操作システム、大手建機メーカーが提案する建設現場のDX第7回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−(1/2 ページ)

ショベルやクレーンで豊富なラインアップをそろえる大手建設機械メーカーのコベルコ建機。1930年に国産第1号の建機となる電気ショベル「50K」を世に送り出して以来、脈々と受け継がれてきたチャレンジ精神を胸に、施工計画ができるシミュレーションソフト「K-D2 PLANNER」とリモートワーク支援システム「K-DIVE」の2つのサービスで、建設現場のデジタル化時代に新たな道を切り開く。

» 2023年02月03日 16時02分 公開
[加藤泰朗BUILT]

 コベルコ建機は、建築総合展「第7回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−」(会期:2022年12月5〜7日、東京ビッグサイト)で同時開催された7つの展示会の1つ「第2回 建設DX展」に出展。「K-D2 PLANNER(ケイディーツー・プランナー)」と建設DX展の初日にサービス提供を開始した「K-DIVE(ケーダイブ)」の施工現場でDXを推進する2つの新サービスを披露した。

直感的な操作を実現する卓越したUXで、施工計画シミュレーションがより手軽に

 1つはクレーン施工計画をシミュレーションできるソフトウェアのK-D2 PLANNERだ。AutodeskのBIMソフトウェアRevitのアドオンソフトで、2022年11月に製品版を提供した。が始まった。

シミュレーションソフト「K-D2 PLANNER」の展示コーナー

 K-D2 PLANNERの特徴は、直感的な操作を可能にする高いUX(ユーザーエクスペリエンス)だ。クレーンを熟知していないオペレーターでも、3D上でクレーン姿勢の検討や負荷率や接地圧などの確認、重機の選定、吊(つ)り荷重に応じたクレーンのたわみの検証、クレーンの仮設部分への干渉チェックなど、施工計画に関するさまざまなシミュレーションをマウスクリックなどの簡単な操作で行える。

「K-D2 PLANNER」の解説パネル
K-D2 PLANNERによるクレーン操作のデモ画面。本体回転角や旋回角度、作業半径、負荷率、接地圧などを確認しながら検証できる

 現状、ソフトのシミュレーションに使用できる重機モデルは、コベルコ建機のクローラクレーン各機種に加え、創業1919年の老舗クレーンメーカータダノのホールクレーン(13〜100トンクラス。ただし、接地圧やたわみ表現などの機能が使えない機種がある)。「それ以外のメーカーの機種についても、今後増やしていく予定」(ブースの担当者)とのことで、今後は幅広い現場での活用が見込める。

 また、施工計画は、ステップごとに検討内容を登録できるため、検討結果を3Dに時間軸を加えた“4D”でシミュレーションして施工検討会でのプレゼンテーションにも使える。さらに、Autodeskのプロジェクトレビューソフトウェア「Navisworks」に出力して、現場で4D計画を共有することで、施工計画だけでなく、現場が動き出した後のコミュニケーションツールとしても役立つ。

 こうした施工計画に関するシミュレーションソフトは、ゼネコンが自前で開発することがほとんどで、建機メーカーが実用化した例は珍しい。担当者は、建機メーカーがソフトを提供することで、自社の建機技術との連携がとれるメリットがあると話す。「例えば、接地圧の情報などは、当社がもともと所有する建機の重量や重心の情報と組み合わせれば、より簡単かつ詳細に計算できる」(担当者)。

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