三菱電機エンジニアリングは、前田道路と法政大学とともに、三菱電機エンジニアリング製の3Dレーザスキャナーを備えた建機搭載型舗装出来形管理システム「Field Laser」の開発を進めている。
道路の施工では基層などが完成した際に舗装の出来形管理をしなければならない。しかし、従来の出来形管理では、5〜6人の作業員がメジャーなどを活用し基層の高さを測る必要があり、人手と時間がかかっていた。一方、建設業では、作業員の高齢化が深刻化しており、舗装の出来形管理でも効率化が求められている。
そこで、三菱電機エンジニアリングは、前田道路と法政大学の協力を受け、同社の3Dレーザスキャナーを備えた建機搭載型舗装出来形管理システム「Field Laser(フィールドレーザー)」の開発を進めている。
三菱電機エンジニアリングは、住宅、ビル、商業・公共施設など、あらゆる建築物を対象とした建築総合展「第7回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−」(会期:2022年12月5〜7日、東京ビッグサイト)内の「建設DX展」に出展し、建機搭載型舗装出来形管理システム「Field Laser(フィールドレーザー)」を参考出品した。
Field Laserは、建機搭載型の3Dレーザスキャナーや自動追尾型トータルステーション(TS)、データロガー※1、Wi-Fi、アクセスポイント、制御・処理装置のタブレットPC、専用システム、専用クラウドで構成される。
※1 データロガー:センサーで得られたデータを保存可能な装置。
Field Laserの利用手順はまず、建機に装着した3Dレーザスキャナーと自動追尾型TSで道路舗装面の高さや位置などのデータを取得する。次に、アクセスポイントを介してWi-Fiにより、3Dレーザスキャナーで得られたデータをタブレットPCに集約し、専用システムで3Dモデル化して、3Dモデルで道路舗装面の出来形を確かめる。なお、現場で取得したデータを専用クラウドへ転送し、遠隔地でもブラウザで道路舗装面の3Dモデルで確認可能。
三菱電機エンジニアリングの担当者は、「使用する3Dレーザスキャナーの精度は±4ミリで、3Dレーザスキャナーを建機に取り付けて走行すると、道路舗装面の計測が行え、タブレットPCで即座に舗装面の出来形状況を確かめられる。加えて、計測結果を専用クラウドに転送し、複数の拠点で道路舗装面の状況をチェックできる」と話す。
続けて、「効果に関して、建機の操縦者とタブレット操作者の合計2人でField Laserを利用し行った出来形管理は、5〜6人の作業員が従来手法で実施した出来形管理と比較して、作業時間を半減できることが判明している。なお、Field Laserのリリース日は未定だが、価格を安価にして、小規模の土木工事にも導入しやすくする見通しだ」と補足した。
現在、三菱電機エンジニアリングは、3Dレーザスキャナーの小型軽量化を進めているだけでなく、前田道路の現場で実証実験を実施している。
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