建設業の請求書処理を電子化するAIベンチャー「燈」に聞く 独自のSaaSがなぜ中小ゼネコンに多数導入されたのか?AI(2/3 ページ)

» 2022年11月07日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

請求書データのCSVデータへの変換も可能

――Digital Billderの機能に関して

石川氏 Digital Billderの操作は、ゼネコンであれば、協力会社からの請求書の受領から、内部での承認、保管、各社の経理システムへの入力までが全て専用アプリケーション内だけで完結する。

「Digital Billder」の利用イメージ 提供:燈

 Digital Billderの操作手順は、協力会社用と発注会社のゼネコン用を用意している。協力会社では、ゼネコンから送信されたURLから、専用のアプリにログインする。次に、アプリ上でリストアップされた複数の工事名から請求書の対象となる工事名を選択し、アップロード画面で請求書や出来高調書、請求書、明細書のPDFをアップロードする。

 続いて、請求書情報の入力画面では、会社名や請求金額(税込み)、メールアドレス、電話番号をインプットし、送信のコマンドをクリックすることで、ゼネコンに各データを共有できる。ちなみに、ゼネコン側では、アプリ上で一覧化した工事名を工事コードや請求用の工事番号に変えられる他、請求書情報の入力画面にある項目を任意で変更可能だ。

 ゼネコンでの操作手順については、まず、専用アプリ上でリストアップされた複数の工事名から、請求書や添付資料(出来形調書など)のPDFが共有された工事名を選び、請求書の内容を確認する。

 次に、請求書と添付資料の内容をチェックしつつ、ゼネコン用の請求情報の入力画面で必要な項目をインプットし、基幹システムへのデータ入力や内容の精査など、各担当者が必要な対応を行う。その後は、申請のコマンドをクリックして次の承認者に承認申請を依頼するが、最終承認者が利用する際には保管ボタンをクリックして請求書のデータを保存する。

 ゼネコン用の入力項目は自由に変えられ、各工事の請求書を一括で承認、申請、保管することにも対応しているだけでなく、保管された請求書は、電子帳簿保存法に従い保存され、請求日、企業名、工事名などで検索も行える。

 また、Digital Billderは、請求書に関するデータをCSVデータに変換可能なため、ゼネコンは、使用するさまざまな会計システムに請求書情報をそのまま取り込めるので、会計システムへの入力作業の自動化が実現する。加えて、CSVデータに対応していない会計システムを活用しているゼネコンは、Digital Billderの請求書データをシステムに自動入力するRPAの開発と提供を行っている。

請求書に関するデータをCSVデータに変換 提供:燈

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