NTTテクノクロスは、東レが開発した機能素材「hitoe(ひとえ)」を使った暑さ対策ソリューションを開発した。建設現場の暑さ対策のソリューションは他社からも発表されているが、働く人の衣服にセンサーを取り付けているのがNTTテクノクロスならではの特徴となっている。
NTTテクノクロスは、「メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2022」(会期:2022年7月20〜22日、東京ビッグサイト 東展示棟)で、作業者の衣服にセンサーを付け、作業員の体調変化を計測する現場の暑さ対策と生体/環境データを取得できるクラウドソリューションを展示した。
NTTテクノクロスのソリューションでは、作業員ごとに衣服内の温度や湿度をモニタリング。加えて、心電位を使って心拍数も把握する。こうした数値を総合的に解析し、作業員が熱中症の症状を起こす前にアラートを発して警告を行う。展示ブースでは、これらを可能にするセンサーとウェアとクラウドサービスを紹介した。
NTTテクノクロスの暑さ対策ソリューションは、“現場”というより、そこで作業を行う“人”にフォーカスしている。
ブースに展示されたソリューション「hitoe 暑さ対策サービス for Cloud」では、作業着の中に着るシャツとセンサーを一体化させ、作業を行う人ごとに衣服内の温度/湿度/心拍数を計測。こうした数値を解析することで熱中症の危険度を総合的に判別し、暑さによる症状が出る前に管理者や作業員へ警告を出す。
他社の熱中症対策と異なるのは、作業する人の心拍を測定している点だ。熱中症が心配されるような暑い場所での作業では、衣服内の温度や湿度の他、作業負荷の把握が熱中症の回避で重要になる。作業負荷は心拍数に反映されるので、心拍数の把握が熱中症回避に役立つ。
ただ、心拍数のモニタリングには問題もあった。人の心拍数を正しく計測するには、体に金属の電極を接触させなければならない。だが、人によっては金属を長時間肌に接触することでアレルギー反応が出てしまうことがあり、アレルギーほどではなくとも、肌荒れなどのトラブルの心配もある。
こうした身体反応を回避するため、NTTテクノクロスでは東レのhitoeという素材でシャツを製作。hitoeは、非金属素材でありながら、微弱な生体信号を検出できる利点がある。シャツには、センシングと通信を行うデバイスを装着。シャツを肌着として着用すると、かさばらず、衣服内の温度や湿度を取得して、心拍数が読み取れる。
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