乃村工藝社が新本社にタスク&アンビエント照明を導入、消費電力を53.8%削減導入事例(3/3 ページ)

» 2022年10月18日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]
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蛍光灯を利用する場合と比べてランニングコストを62.9%カット

 続けて、岩井氏は、「9階のクリエイティブ執務フロアに導入した52台のタスク&アンビエント照明は、乃村工藝社が設計した筐体の上部と下部にパナソニック EW社製のLEDライト“C-Slim S15”を2個ずつ取り付けた照明器具をワイヤで吊(つ)るしたもので、直下のテーブル下に床の電源から給電した電気を供給する電源ユニットを装着している」と語った。

クリエイティブ執務フロアに導入した「タスク&アンビエント照明」
クリエイティブ執務フロアに導入した「タスク&アンビエント照明」の仕様
クリエイティブ執務フロア

 具体的には、筐体上部のLEDライトで天井面を照射することで、空間全体の明るさ感を創出し、下部のLEDライトでは机上面が500lx以上となるタスク照明を確保した。

 加えて、カットオフライン※2が天井と机上面に出ないように、光源の設置高さを検証した上で、天井面から1230ミリ低い位置に筐体を吊るしている。ちなみに、下部のLEDライトは、作業を行う従業員の目に明かりが入らない位置に備えた。

※2 カットオフライン:造形物におり光が遮られてできる光と影の境界線。

 筐体のカバーには、スタッド(間仕切り壁を作る際に使用する部材)やボルトを使用し、使用する電力はOAフロアの電源から供給することで、退去時の現状復旧やレイアウト変更時に天井の工事が必要ないようにしている。

 「9階のクリエイティブ執務フロアは、システム天井に設置されていた既存の照明を消灯し、52台のタスク&アンビエント照明を点灯して運用しており、この状態で、372lxの全体平均照度を実現し、605lxの机上面照度を達成した。ちなみに、室内では、一般的なオフィスのFeu値である13前後を確保しただけでなく、導入前と比較して消費電力を53.8%削減し、蛍光灯を利用する場合と比べてランニングコストを62.9%カットした」(岩井氏)。

「タスク&アンビエント照明」の省エネ効果
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