地盤調査の結果が同じであるにもかかわらず、地盤改良の必要と不要に関する判定が分かれることがあるが、それはなぜだろうか。原因を解説する前に、地盤改良が必要か不要かを判断する手段について触れておく。
まず、判定方法に関して、地盤改良の必要/不要の判断では、下記の表2に示す国の告示に定義された「長期許容支持力度」の数値が重要視されている。長期許容支持力度は、SWSの試験結果に応じて求められ、建物の重さで地盤が沈むかどうかの強さを示す専門用語。
一方、地盤調査で対象の土地が「基礎ぐい」と判断された場合には地盤改良が必要とされ、基礎形式が「べた基礎」と「布基礎」だった際には、地盤改良工事は必要ない。ちなみに、最近の住宅は、住宅の底面全域に鉄筋コンクリートを流し込むべた基礎の建物が多い。
なお、表2のように長期許容支持力度が1平方メートル当たり20kN以下であれば基礎ぐいで、地盤改良が必要になる。しかし、1平方メートル当たり20kN以上は、基礎ぐい(地盤改良)とべた基礎のいずれかで、1平方メートル当たり30N以上は、基礎ぐいやべた基礎、布基礎のいずれで判断しても良いとされる。
こういった値は、言い換えれば地盤改良工事を行っても行わなくても良い数値で、地盤改良工事の不要と必要の判断が分かれる要因の1つとなっている。
具体的には、長期許容支持力度の数値と前述した自沈層の地盤調査結果から、地盤改良工事が必須となることが多い地盤の特徴は、以下のケースとなる(数値が良くとも、造成履歴や地形などにより地盤改良が必要と判断されることもある)。
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