京都の広告制作会社JPCが3DレーザースキャナーのRTC360と、撮影データをもとに3DCGモデルを作成するフォトグラメトリ技術を用い、数日で大型建築物の3DCGモデルを制作するサービスを2022年7月に開始した。
京都の広告制作会社ジェー・ピー・シー(JPC)は、ライカジオシステムズ製の高性能3Dレーザースキャナー「Leica RTC360(以下、RTC360)」を2022年6月に導入し、京都府京都市東山区林下町にある浄土宗の総本山「知恩院」の三門を3DCGモデルしたと同年8月3日に公表した。
RTC360の高速スキャニングにより、CADデータを必要とせずに、直径270×高さ135メートルの大空間で3次元点群データを1分40秒で生成。また、生成された点群データをフォトグラメトリに反映することで、セミオートで大型建築物の3DCGモデルを作成するため、コスト/工数の大幅な削減を実現する。そのため、被写体さえあれば、実物と遜色ないハイクオリティーな3DCGモデルをわずか数日で作成することが可能になる。
JPCは、2022年7月から正式に3DCGモデル制作のサービスを開始し、神社仏閣のみならず、工場や博物館などの大規模建造物の3DCG化やデジタルアーカイブ化を既に受注している。
また、小型の文化財や美術工芸品でも3DCG化を推進。知恩院 三門のような建造物だけでなく、浄土宗総本山 知恩院が保有する法然上人像や亀岡市文化資料館所蔵の鯱(しゃちほこ)像のデジタルアーカイブ化も手掛けている。
こうした比較的小型の文化財には、SONYの高精細かつ高解像度のフルサイズカメラを使用し、より精緻な3DCGモデルを作成。物質の表面の質感や細かな柄まで忠実に再現できるため、美術品や工芸品などの3DCG化には、スキャナー以上に高い再現性が発揮されるという。
また、一度3DCGを制作すれば、いつでもスマホやタブレット、PCで製品を3次元でPR可能になるので、文化財の保護や閲覧だけでなく、企業マーケティングにも役立つとしている。
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