2021年度の住宅設備・建材の国内市場、昨年度比で拡大産業動向

富士経済は、2022年2〜5月の期間で、住宅設備・建材の国内市場を調査。その結果を「2022年版 住設建材マーケティング便覧」にまとめた。同調査では、住宅設備・建材の43品目を対象に、新型コロナウイルス感染症の流行以降の市場規模およびメーカーの最新動向や商品開発、流通チャネルの最新トレンドなど市場の現状について分析。2025年度の動向についても予測した。

» 2022年08月05日 08時00分 公開
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富士経済は、2022年2〜5月の期間で住宅設備・建材における国内市場調査を実施。その結果を「2022年版 住設建材マーケティング便覧」としてまとめた。

 同調査では、住宅設備17品目、建材26品目、計43品目を対象に、新型コロナウイルス感染症の流行以降の市場規模およびメーカーの最新動向や商品開発、流通チャネルの最新トレンドなど市場の現状と今後の展望について整理・分析した。

調査対象品目 調査対象品目 出典:富士経済プレスリリース

 2021年度の住宅設備・建材の国内市場は、新型コロナ流行の影響で落ち込んだ2020年度の調査時と比較して102.4%拡大し、4兆5731億円を見込む。新型コロナ流行在宅時間の増加に伴う換気や衛生面などに対応する製品の需要の増加、生活環境の見直しが市場にプラスとなった。

 今後、新設住宅着工戸数は人口減少や人手不足などから減少が想定されるが、半導体不足やウッドショックなどによる製品の価格改定、カーボンニュートラルの実現に向けたZEH住宅の増加により、省エネ性の高い製品の拡充、需要の開拓が進む。市場は今後も拡大し、2025年度は2020年度比で6.4%増と予測している。

 住宅設備市場は、多くの品目で2021年度は伸長するも、空調分野はルームエアコンが前年度の需要が大きく、反動による減少で拡大は小幅にとどまった。

 建材市場は、新設住宅着工戸数の増加に加え、2021年度は断熱分野が価格改定により大きく伸び、前年度比5.2%増を見込む。

住宅設備・建材の国内市場 住宅設備・建材の国内市場 出典:富士経済プレスリリース

 注目市場として、水洗金具では、新型コロナを起因とした住宅の見直しが増え、2021年度は735億円で前年度比4.0%増、今後も2025年度に2020年度比11.7.%増と予測する。

水洗金具市場 水洗金具市場 出典:富士経済プレスリリース

 断熱分野では、2021年度は前年度比9.0%増、今後は2025年度の省エネ基準適合義務化などが予定され、市場は拡大していくという。同様の理由で、樹脂サッシも2025年度には1000億円を超えるとみられる。

断熱分野市場 断熱分野市場 出典:富士経済プレスリリース
樹脂サッシ市場 樹脂サッシ市場 出典:富士経済プレスリリース

 フェンス市場では、省施工製品と高強度製品に加え、新型コロナの影響で住宅のプライバシーを守る製品の需要が増加し、2021年度の市場は759億円に拡大する。製品の値上げもあり、2025年度には2020年度比16.8%増を予測する。

フェンス市場 フェンス市場 出典:富士経済プレスリリース

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