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» 2022年06月21日 08時00分 公開

日建設計と住友林業、木質梁とRC床版を接合した「合成梁構法」開発新工法

日建設計と住友林業は、木質梁とRC床版を組み合わせた「合成梁構法」を共同開発した。木とコンクリートの圧縮強度が近い特性を生かし両者を強固に接合してロングスパンを実現し、梁せいを抑えて階数の増加につなげ、中大規模木造建築の普及を推進する。

[BUILT]

 日建設計と住友林業は、のこぎり状に凹凸をつけた木質梁とRC床版を組み合わせた「のこぎり形接合」による「合成梁構法」を共同開発した。木とコンクリートの圧縮強度が近い特性を生かし、両者を強固に接合してロングスパンを実現する構法だ。梁せいを抑えて階数の増加につなげ、オフィスや学校、病院などの中大規模木造建築の普及を推進する。

合成梁とのこぎり形接合 合成梁とのこぎり形接合 出典:日建設計プレスリリース

 木材は身近な建材として広く使用されているが、床に用いると振動が伝わりやすく居住性に影響があること、強度を確保するために断面が大きくなり空間を圧迫することなどが中大規模建築での課題であった。

 これらに対応するため、両社はプロジェクトチームを2016年に立ち上げ、実験・検証を実施し合成梁構法が完成した。RC床版が木造梁の剛性を高め、鉄骨造とコンクリートスラブによる床と遜色のない揺れにくい床を実現したと。

 梁は従来の倍である約12メートルのスパンを実現し、中大規模建築に対応した。梁せい(梁の高さ)は90センチメートルで、非合成梁の120センチメートル程度に対し約4分の3に抑えられた。それにより、高層化した建築物の階高を抑えるとともに、増床につながるとしている。さらに耐火被覆面積を削減、建築高さを抑制できることで、建築費も削減できる。

 また集成材やLVL(単板積層材)などが使用でき、木材の樹種の制約が少なく汎用性が高いため、非住宅の中大規模木造建築の促進に寄与できるという。

12メートルスパンの実物大曲げ試験と木ぐるみCT部材断面 12メートルスパンの実物大曲げ試験と木ぐるみCT部材断面 出典:日建設計プレスリリース

 同構法は2022年4月に日本ERIで構造性能評価を取得した。床工法との組み合せ自由度が高く、在来型枠工法にも活用でき、デッキプレートなどさまざまな型枠にも対応している。

 また、住友林業の「木ぐるみ」シリーズなどの耐火構造の木質梁に適用できる、さらに高層建築はじめ、構造種別や高さ、階数を問わず活用できる。

 国土の3分の2が森林で戦後の人工林が伐採期を迎える日本、森林資源の循環などの観点から、木造化率10%弱の非住宅物件や中大規模物件の木造化による利用促進が求められている。2021年10月には「改正木材利用促進法」が施行された。

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