自然環境の保全は、地球温暖化をはじめ、海洋・水質・大気の汚染、資源の枯渇などにも目が向けられている。なかでも、特に温暖化は重大なテーマとされる。日本でも、2030年度には、CO2排出量を2013年度比で46%削減する方針が打ち出されているが、一般企業では、「何をすればよいのか、いくらコストが掛かるのか」といった不安視する声もある。
清水建設は、こうした声にカーボンニュートラルパートナーとしての立場で応え、顧客の課題解決をサポートする。そのための原資となるのが、1804年の設立以来多くの建築物を手掛け、近年では省エネや再エネに取り組む、清水建設の知見や蓄積となる。
カーボンニュートラルパートナーは、エネルギーに関する「減らす」「創る」「蓄える」「買う」の4つの項目で、効率的な利用と低炭素化をトータルで支援する。最初に着手するのは、顧客のエネルギー状態の把握で、その結果をベースに、目標達成に向けたロードマップを作成することとなる。
ただ、顧客には、それぞれに年度の予算や優先すべき事項が存在するため、「さまざまな条件を考慮しつつ、4項目を組み合わせて提案していき、まずは2030年の46%削減に向けたロードマップの共有から始めたい」と語った。
清水建設は、新たな環境目標として「SHIMZ Beyond Zero 2050」を2021年6月に策定した。2050年までに自社活動による負の影響をゼロにするだけでなく、顧客や社会にプラスの環境価値を積極的に提供していくこと(Beyond Zero)を目指すべき姿として掲げている。ビジョンでは、「脱炭素社会」「資源循環社会」「自然共生社会」の3つの視点を定めている。
脱炭素に関しては、自社の活動の他、技術革新や再エネ電力などの創出、サプライチェーンを含む活動によって脱炭素社会を牽引(けんいん)するとしている。ただ、脱炭素社会の実現は、清水建設だけで達成できるものではないのも事実だ。
山地氏は、「当社と顧客と協力することで、2050年のカーボンニュートラル、脱炭素社会を具現化できれば」とし、今後も環境価値創造のイノベーションに取り組んでいく姿勢を示すとともに協力を求めた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.