清水建設は2030年度に非建設事業で連結経常利益2000億円以上を目指している。非建設事業の要となるLCV事業では、WELL認証取得の後押しや定額制で施設設備を利用できるサービスなどを展開している。清水建設 常務執行役員 LCV事業本部長の那須原和良氏は、都内で開かれた展示会「住宅・ビル・施設 Week 2019」で、講演を行い、LCV事業の概要や事例などを紹介した。
この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。
清水建設 常務執行役員 LCV事業本部長の那須原和良氏は、リード エグジビション ジャパン主催の建設全般を対象にした総合展「住宅・ビル・施設 Week 2019」(会期:2019年12月11日〜13日、東京ビッグサイト 青海展示棟)で、「LCV(Life Cycle Valuation)におけるビル・施設の価値向上とサステナブル社会の実現」と題して講演した。
清水建設は、2019年5月に長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」を発表し、現在の日本に潜在的にある将来的な課題を示した。具体的には、気候変動などの影響で多発する災害や高度成長期に作られたインフラの老朽化、少子高齢化による人材不足などを指摘している。
SHIMZ VISION 2030は、こういった課題を踏まえ、安心安全で快適に暮らせる社会やサステナブルな環境を実現することを目標に掲げている。
達成に向けた事業の柱と位置付けるLCV事業本部には、「BSP(Building Service Provider)」や「インフラ運営」、「エネルギー運営」の3つの事業部を置く。LCVは、施設やインフラのライフサイクルにわたって、価値を最大化するためにレベルの高い技術やサービスを提供することを意味する清水建設独自の事業コンセプト。施設運営管理サービスやリニューアルによるバリューアップ提案などを行うBSP事業をはじめ、公共資産マネジメント事業や空港・水力発電などのPPP・コンセッション、再生可能エネルギー発電事業、施設・インフラの新たな価値を創造/提供する事業を幅広く展開している。
那須原氏は、このうちBSP事業について、「(施設を効率的に運用するために、設計段階で)効果的な設備を盛り込み、提案するケースは多いが、予算の都合や業務が進行していく中で、プランが消えてしまうことが少なくない。BSP事業ではこういった状況を打開する新たな設備サービスを提供している」とした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.