独自調査で浮き彫りに、“サスティナビリティ実現へ”日本企業の実態と建物設備からの解決策ニューノーマルを勝ち抜く事業戦略(3/4 ページ)

» 2022年05月24日 05時14分 公開
[石原忍BUILT]

ワンストップでサポートする「ネットゼロ・アズ・ア・サービス」

ジョンソンコントロールズ サステナビリティセールスマネジャー 渡邉匡史氏

 調査結果から見えてきた課題に対し、ジョンソンコントロールズでは、サステナビリティセールスマネジャー 渡邉匡史氏が、世界中に拠点を持つ製造業などの日本企業向けに、計画・設計・施工・運用管理をワンストップでサポートする「ネットゼロ・アズ・ア・サービス」を提案した。

 ネットゼロ・アズ・ア・サービスは、1.概要把握/目標設定/基本計画、2.設備/資金計画、3.設備改修、4.エネルギーや設備の見える化、5.グリーンエネルギー調達の計画から実施、運用までの5段階プロセスに沿ってサポートする。脱炭素へのアプローチは、「エネルギー消費量の削減(=省エネ)」、化石燃料を減らす「エネルギーの低炭素化」、熱エネルギーを減らして電気に代える「利用エネルギーの転換」の3通り。

5段階のプロセスから成る「ネットゼロ・アズ・ア・サービス」

 1の基本計画提案では、あらかじめ国内外のモデル事業所を簡易的に調査し、施設状況や事業特性、削減ポテンシャルを把握した後に、基本計画をとりまとめる。2の設備/資金計画は、SBTやRE100の目標への対応策について、現地調査や資料分析、各国のエネルギー事情などに基づき、設備やエネルギー、施設運営の観点から、費用や契約関連資料(要求水準書)など、総合的にカーボンニュートラルの実行プランを作成する。

 3以降の実行フェーズでは、導入設備の一例として、ノンフロンチラー高効率熱源や電化とエネルギー再利用可能な産業用ヒートポンプなど、ラインアップから最適な設備機器を整備。さらに、熱源システム最適化のためには、海外で開発したAI/ML(機械学習)を用いた「Central Utility Plant(CUP)」も用意されている。CUPは、過去のエネルギー消費量や天気予報を機械学習で解析し、1週間先の予測を2時間ごとに更新すると同時に、直近でも2時間後の予測を立て、15分単位で熱源システムの設定に反映させる。

電化と廃熱回収のヒートポンプ製品群
Central Utility Plant(CUP)の予測と分析

 さまざまな設備と接続するビルオートメーションシステム(BAS)の見直しによるエネルギー削減では、ジョンソンコントロールズのBAS「Metasys」の採用を推奨する。Metasysであれば、BACnetプロトコルなど多彩なオープンプロトコルを採用しているため、メーカーに縛られることなく、適切な設備や機器を組み合わせることを可能にし、ライフサイクルコストの抑制とエネルギー削減に貢献する。

ジョンソンコントロールズのビルオートメーションシステム(BAS)

【訂正】初出時、「CUPは〜2週間先の予測」とありましたが、正しくは「1週間」です。上記記事はすでに訂正済みです(2021年5月25日17時51分)

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