大和ハウス工業は、2023年1月13日の竣工に向け、愛知県小牧市で計画を進めているマルチテナント型物流施設「(仮称)DPL小牧」が着工したことを公表した。総事業費は約400億円を見込んでいる。
大和ハウス工業は、愛知県小牧市で開発を進めているマルチテナント型物流施設「(仮称)DPL小牧」が2022年5月9日に着工したことを同日に発表した。
東海地域では、製造業やEC(電子商取引)関連の物流量増加を背景に、物流施設の需要が堅調に推移しており、マルチテナント型物流施設の新規供給数も増加傾向にある。
なかでも、愛知県は、関東、関西、北陸地域を結ぶ長距離輸送の中継物流拠点としての役割を果たせるとともに、東海・北陸地域に分散する物流施設を集約する拠点としても、根強いニーズが見込まれている。
県内の小牧市には、名古屋市中心部に通じる「名古屋高速道路」の他、東名高速道路と中央自動車道が結節する「小牧ジャンクション」があり、名神高速道路と東海北陸自動車道がつながる「一宮ジャンクション」にも近接するなど、交通の要衝として物流施設の開発ニーズが高まっている。
こういった状況を踏まえて、大和ハウス工業は、愛知県小牧市で、免震システムを採用するマルチテナント型物流施設としては、東海地区最大級となるDPL小牧を開発することとした。
開発地は、名古屋高速11号小牧線「堀の内出入口」から約2キロの場所にあり、「豊山南出入口」から約3キロの地域に位置している他、物流適地の1つである神奈川県厚木市から約300キロで、大阪府大阪市から約180キロのエリアにあるため、関東・関西地域間の輸送における中継物流拠点としても機能する。
東海・北陸地域にも3時間30分以内に輸配送し、名古屋市の外周部を通る名古屋環状2号線へ車で約20分と近接しているため、交通利便性に優れる。
DPL小牧は、地上5階建てで、最大25社のテナント企業が入居可能なマルチテナント型物流施設。1区画の賃貸倉庫面積は約4970平方メートル(事務所含めた1区画当たりの最小は約5170平方メートル)からで、小規模の物流事業を検討されているテナント企業のニーズにも対応する。
建物は、EC(電子商取引)会社や近隣にある工業団地の製造会社、小売会社などの入居を想定したマルチテナント型物流施設として、BTS型物流施設と比べ、事業開始までの期間を短くすることができる見通しだ。
今回の施設で働く従業員が仕事と子育てを両立するように、建物内に保育所を設置する見込みだ。保育所では、テナント企業の従業員を対象に、最大36人の子供を受け入れる。加えて、カフェテリアや無人コンビニエンスストア、休憩スペースを設け、テナント企業の労働環境整備を支援する。
BCP対策に関しては、免震システムを導入する見通しだ。免振システムは、地震発生時にも揺れを軽減し、上層階の荷崩れを防ぐなど、荷物や設備のダメージを最小限に抑え、短時間での事業再開に役立つ。
DPL小牧は、地上5階建て(1〜4階の柱がRC造、梁がS造、5階はS造)で、延べ床面積は19万2367.98平方メートル。所在地は愛知県小牧市下小針中島2丁目144番他で、敷地面積は8万5716.64平方メートル。賃貸面積は16万3861.24平方メートル。設計・施工は大成建設が担当し、着工日は2022年5月9日で、竣工は2023年1月13日、稼働は2023年1月14日を予定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.