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» 2022年04月26日 17時00分 公開

“匠の技×デジタル技術”で傑作建築を移築、前田建設のロボットで破風板復原デジタルファブリケーション(1/2 ページ)

前田建設工業は、東京・白金台の名建築「旧渡辺甚吉邸」を3Dスキャナーや360度カメラ、ロボットアーム加工機といったデジタル技術と職人の伝統技法を駆使して、ICI総合センターに移設した。

[BUILT]

 インフロニア・ホールディングスグループの前田建設工業は2022年4月21日、昭和初期の日本住宅建築の傑作「旧渡辺甚吉邸」を茨城県取手市のICI総合センター「里山ガーデン」内に移築し、オープニングセレモニーを開催した。

デジタル技術と伝統技法の融合で、老朽箇所を修復

旧渡辺甚吉邸&W-ANNEX(外観) 撮影:傍島利浩 出典:インフロニア・ホールディングスプレスリリース

 旧渡辺甚吉邸は、1934年(昭和9年)、東京都港区白金台に岐阜の名家である渡辺家の14代当主・甚吉氏の私邸として建てられた洋館。全体計画は、洋風住宅の設計会社あめりか屋の山本拙郎氏が手掛け、設計はエンド建築工務所の遠藤健三氏、細部の装飾は二人の恩師である今和次郎氏の共作で、当時の日本で住宅建築の最高水準となる経験と知見が凝縮された歴史的建造物として知られる。

 意匠は、国内では数少ない本格的な英国チューダー様式で、白い壁に木骨などが露出した「ハーフティンバー」の外観が目を引く。細部装飾にも極めて高度な技法が用いられているだけでなく、移築前にも特徴のある装飾を含めて当初からの姿がほぼ完全に保たれていたという。

 建物の規模は、木造地上2階建て(塔屋1階)、建物高さは10.0メートル、建築面積256.05平方メートル、延べ床面積426.34平方メートル。

 前田建設工業は、現在の日本では、再開発や老朽化に伴い歴史的建造物の取り壊しが相次いでおり、旧渡辺甚吉邸も解体の危機を迎えたが、2018年に保存を求める研究者や有識者の要望に応える形で、ICI総合センター内への移築プロジェクトを開始したと経緯を説明する。

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