街づくりには、歩行者のみでなく、自動車などの交通量を把握することも重要になります。下図は、車種別交通量を求めるために、AIによって、ビデオ映像から、乗用車、バス、小型貨物、普通貨物、歩行者、自転車、その他二輪の計7クラスへの分類や検出を行った研究例です※3。枠線のバウンディングボックスで、車両の領域を検知して、対象物のクラス判別が行われています。対象物のクラス判別結果が得られることで、車両の追跡や車種別のカウントも容易になっています。
人間にとって、車種を識別するのは、一見すると簡単なことのように思えますが、同じ車両であっても、正面から見たり、側面から見たりと、見る角度によってかなり見え方の違う画像になるため、必ずしも容易ではありません。そのため、車種識別の精度を向上することがAI活用を広げていくための1つのポイントとなります。
文献4の「交通量調査のための車両部位識別技術に関する研究」※4では、車両の部位を正面、背面、左側面、右側面、上面、タイヤ、フロントガラス、ナンバープレートの計8つと背景に分け、セマンティックセグメンテーションで検出してから車種の分類を行うという方法で、精度向上を図っています。また、下図に示したように、セマンティックセグメンテーションの誤識別結果を反映した再学習を行うことで、AIを改善していく方法も提案されています。
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