竹中工務店は、「J-クレジット制度」を活用し、日鉄高炉セメントが福岡県北九州市で保有する本社ビルで、地下躯体部分のCO2削減に貢献する「ECMコンクリート」に置き換えたことにより、CO2排出削減量の64トン分についてクレジットを取得した。
竹中工務店は、高炉スラグを多く含む低炭素型コンクリート「ECMコンクリート」を適用したオフィスビルで、経済産業省、環境省、農林水産省が運営する「J-クレジット制度※1」を活用し、コンクリートによるCO2排出削減量を売買などが可能なクレジットとして使える認証を受けたことを2022年3月15日に発表した。
※1 J-クレジット制度:省エネルギー設備の導入と再生可能エネルギーを用いたCO2などの排出削減量や適切な森林管理によるCO2などの吸収量をクレジットとして国が認証する制度。この制度により創出されたクレジットは、経団連カーボンニュートラル行動計画の目標達成やカーボン・オフセットなど、さまざまな用途に使える
今回クレジットの認証を取得したのは、NEDOプロジェクトの共同開発者である日鉄高炉セメントが福岡県北九州市で保有する本社ビルで、地下躯体部分のCO2軽減に貢献する「ECMコンクリート」に置き換えたことにより、CO2排出削減量の64トン分について、クレジットを得た。
ECMコンクリートは、セメントの60〜70%を、鉄鋼を製造する際の副産物である高炉スラグの粉末に代替することで、コンクリート由来のCO2排出量を6割減らせるコンクリート。さらに、ECMセメントの構成成分を最適化することで、ひび割れの原因となる乾燥収縮を低減し、酸・塩に対する劣化抵抗性を高め、高品質と高耐久性を両立している。
今後も、竹中工務店は、J-クレジット制度を通じて、ECMコンクリートをはじめとする多様なCO2削減技術についても、積極的なクレジットの取得と活用を進めていく。
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