感染症対策に関して、新オフィスでは、手洗いとマスク着用を徹底するとともに、設計と設備面で接触、飛沫、空気に対する感染防止策を講じている。具体的には、床と什(じゅう)器への抗ウイルス素材「リノリウム」の使用、WOTA製のポータブル手洗いスタンド「WOTA」と各会議室での消毒液の設置、マスクを外す場所でのパーテーション完備、コクヨ製個室ブースの採用、ダクトの増設による換気量の増強、エアリーソリューション(ブースタイプ)と空気清浄による空気のクリーンエア化などを行っている。
リノリウムは、亜麻仁油などの天然素材から製造されるもので、抗ウイルス効果※1を持ちながら、有害化学物質を出さず、清掃も容易で、抗アレルギー能力は世界保健機関も推奨している。
※1 リノリウムの抗ウイルス効果:ノロウイルスやA型インフルエンザに対して99.9%以上の抗ウイルス効果が実証されている
「当社では、床用の抗ウイルス素材として、抗ウイルス剤を塗布した塩化ビニールと絨毯も検討したが、費用やメンテンス性、感染症対策への有効性でリノリウムが最適と分かり、リノリウムを採用した。リノリウムの導入実績は、東京都中央区の聖路加国際病院や文京区の東京大学医学部付属病院などでもあるが、専有面積が6000平方メートルを超える国内オフィスでの採用は今回のオフィスが初となる」(森氏)。
WOTAは、水道の無い場所に設置可能なポータブルタイプの手洗いスタンドで、水を充填するタンクとAIを活用した自律分散型水循環システムにより手洗い用の水を提供し、供給水質の安全性を確保するために、膜ろ過、塩素添加、紫外線照射のテクノロジーで水を消毒する。
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