夜の二条城で光の饗宴、パナソニックの照明演出「アフォーダンスライティング」で幻想空間へいざなうLED(2/3 ページ)

» 2021年11月24日 05時28分 公開
[石原忍BUILT]

テストでは60%以上の被験者が「誘導」に沿ったルートを歩いた

 イベントのルート上、本丸御殿へと渡る東橋付近で、二の丸庭園または鳴子門のどちらかに向かう分岐点では、鳴子門に続く通路をあえて動きのない照明として、庭園へ誘うような光の動線を引いている。

ルート上の分岐点。真っすぐ進むと鳴子門へ行ってしまうが、右折して正しい順路に沿うようにアフォーダンスライティングで来場者の進行方向を「誘導」

 イベントに先立って実施したパナソニック エレクトリックワークス社社内でのテストでは、一般照明との比較で60%を超える被験者が誘導演出に沿ったルートを辿(たど)り、有効性が証明されたという。

「誘導」のアフォーダンスライティング ※解説音声アリ

 夜会でのアフォーダンスライティング以外の照明では、パナソニックの照明デザイナーが唐門と二の丸公園の照明設計を担当した。唐門は、外構照明で使用する光源が目立たないコンパクトサイズの「SmartArchi Cylinder Spot」で、長寿を意味する「松竹梅に鶴」や聖域を守護する「唐獅子」など、極彩色の彫刻が施された欄間に自然と目線が集まるように配光。超挟角配光の「ダイナシューター」は、屋根の「唐破風(からはふ)」のみを少し離れた場所からピンスポットで当て、2種類の照明と大型の提灯で、“SNS映え”する来場者の記念撮影スポットとなることを意図している。

2種類のLED投光器による「唐門」のライトアップとオリジナル提灯インスタレーション
地面から唐門を明るく照らす「SmartArchi Cylinder Spot」
LED投光器「ダイナシューター」でスポット光を当てている「唐破風(からはふ)」

 書院造りの二の丸庭園では、建築照明で用いることの多いフルカラーLED投光器「ダイナペインター」で、石、滝、橋をそれぞれ照らし、庭園の奥行きを際立たせる。同時に東西南北を司(つかさど)る四聖獣をイメージしたそれぞれのカラーで順に園内を照らし、鳴き声とともに幻想的な空間を創出している。

二の丸庭園のライトアップ
庭園では四聖獣をイメージしたカラーライティングと音で、生き物の息吹を感じられるように演出。写真は紅い朱雀をイメージしたとのこと

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