イベントのルート上、本丸御殿へと渡る東橋付近で、二の丸庭園または鳴子門のどちらかに向かう分岐点では、鳴子門に続く通路をあえて動きのない照明として、庭園へ誘うような光の動線を引いている。
イベントに先立って実施したパナソニック エレクトリックワークス社社内でのテストでは、一般照明との比較で60%を超える被験者が誘導演出に沿ったルートを辿(たど)り、有効性が証明されたという。
夜会でのアフォーダンスライティング以外の照明では、パナソニックの照明デザイナーが唐門と二の丸公園の照明設計を担当した。唐門は、外構照明で使用する光源が目立たないコンパクトサイズの「SmartArchi Cylinder Spot」で、長寿を意味する「松竹梅に鶴」や聖域を守護する「唐獅子」など、極彩色の彫刻が施された欄間に自然と目線が集まるように配光。超挟角配光の「ダイナシューター」は、屋根の「唐破風(からはふ)」のみを少し離れた場所からピンスポットで当て、2種類の照明と大型の提灯で、“SNS映え”する来場者の記念撮影スポットとなることを意図している。
書院造りの二の丸庭園では、建築照明で用いることの多いフルカラーLED投光器「ダイナペインター」で、石、滝、橋をそれぞれ照らし、庭園の奥行きを際立たせる。同時に東西南北を司(つかさど)る四聖獣をイメージしたそれぞれのカラーで順に園内を照らし、鳴き声とともに幻想的な空間を創出している。
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