建設HRは、人手不足に陥っている国内の建設業界で海外人材の動向をさまざまな調査統計をもとに分析した。調査レポートでは、他の産業と比較しても大幅に増加している一方、特定技能で建設技能工として来日する海外人材は伸び悩んでいる実態が判明した。
労働市場全体の海外人材総数は、現在の統計制度が開始した2008年には48万6000人だったが、2020年には172万4000人(2008年比255%増)に増加。人手不足が深刻な労働市場で、海外人材の重要性は年々高まってきている(図表1)。2020年はコロナ禍の影響もあり、増加率は前年比4%増にとどまりましたが、増加傾向は続いている。
2020年の海外人材が占める割合は、全産業合計では、2.58%(図表2。産業分野別にみると、海外人材の占める割合が最も高いのは、「他に分類されないサービス業」が6.13%、次いで「飲食店、宿泊業」が5.19%、「製造業」が4.61%、「情報通信業」が2.97%、「学術研究、専門技術サービス業」が2.39%、「建設業」が2.25%となり、建設業は6番目に海外人材が占める割合が高い産業分野となった。
建設業で働く海外人材数の推移をみると、現状制度の統計が始まった2008年の8000人から、2020年には11万1000人となり、約14倍に増加している(図表3)。一方、全産業でみると、2020年の海外人材総数は、2008年の約3.6倍となる増加にとどまっている(図表1)。このことから、建設業の海外人材は他の産業と比べ、大幅に増加していることが分かる。
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