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» 2021年10月26日 18時00分 公開

ローカル5Gでトンネル坑内のホイールローダ遠隔操作に成功、時速20km走行と微妙なバケット操作を実証山岳トンネル工事(1/2 ページ)

西松建設は、山岳トンネル工事を対象にした無人化施工システム「Tunnel RemOS(トンネルリモス)」の構築を進めており、その一環でローカル5Gを活用したホイールローダの遠隔操作システムの早期実用化に向け、実施工での検証も行った。

[BUILT]

 西松建設は、カナモトと浅草ギ研、ジオマシンエンジニアリングと共同で、山岳トンネル掘削時のずり運搬に使用するホイールローダをローカル5G通信で遠隔操縦させるシステムを開発し、トンネル坑内で遠隔施工実証実験を行ったと2021年10月8日に発表した。28GHz帯のローカル5G通信を山岳トンネル坑内へ適用したのは、国内初の試みだという。

遠隔のコックピットでは振動や作動音も伝達し、実機運転に近い操作感

 ローカル5Gを使用したホイールローダの遠隔操作システムは、「遠隔操作システム」「映像・制御信号通信システム」「安全走行管理システム」で構成。

 遠隔操作システムによるホイールローダの運転操作は、ステアリング、ブレーキ・アクセルペダル、アーム・バケットレバーの操作で行うが、無線受信で機械的に作動させるための遠隔運転制御装置がホイールローダに外付けされている。また、遠隔操作室には、実機と同じ仕様の遠隔操作コックピットと9画面のモニターが配置され、画面を見ながら遠隔でホイールローダを操縦する。コックピットは、運転時の実機振動や作動音も伝わるため、実機運転とほぼ同じ環境下での遠隔運転が可能となっている。

ホイールローダの操縦席に搭載する遠隔操作システム 出典:西松建設プレスリリース
遠隔操作システムのコックピット(遠隔操作室) 出典:西松建設プレスリリース

 映像・制御信号通信システムは、遠隔操作に必要な映像・制御信号をローカル5Gで通信する装置。ホイールローダには、7台のフルHD車載カメラ(前後進時にそれぞれ5台使用)と5G端末、制御盤の「ホイールローダ搭載ユニット」が設置されている。

 また、ローカル5Gアンテナを高所作業車に設置した分離型の移動基地局と坑内カメラの「坑内固定ユニット」は、切羽後方に配置する。遠隔操作時に車載カメラの高精細映像データは、ホイールローダ搭載ユニットの5G端末から坑内固定ユニットの分離型移動基地局へ無線伝送され、光ファイバーケーブルを介して遠隔操作室へ有線伝送。同時に遠隔操作信号も、同様の通信設備を使用して遠隔操作室からホイールローダに伝送される。

ホイールローダ搭載ユニット 出典:西松建設プレスリリース
ローカル5G分離型移動基地局 出典:西松建設プレスリリース
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