木村氏は、従来の紙やPDFの請求書の場合、会社全体の主な悩みとして「手間がかかる」「時間がかかる」「作業が特定の人物だけに集中する俗人化」や「残業時間の管理」などが存在することを指摘する。さらに受け取る業務では「月次決算の早期化や保管方法」「場所への対応」、発行する業務では「作成、印刷、発送にかかる時間と手間とコスト」などの悩みがあったとする。
BtoBプラットフォーム請求書の特長としては、請求書の受取・発行のどちらの機能もあり、明細データを含めた会計データの連携が可能となる。また国内59万社以上の企業が利用しているため、取引先とつながりやすいという利点がある。
導入企業の穴吹工務店では、「月2000通の請求書を98%電子化することで、書類作成の効率化は取引先にもメリットをもたらした。同時にデータチェックの手間も削減され、受取から承認までがWebで完結し、テレワーク対応が実現した」(木村氏)。
続いて、電子契約事業執行役員 齋藤文彦氏は、BtoBプラットフォーム契約書について説明した。
契約書といえば膨大なボリュームのため、見落としにより契約時の訴訟リスクが付き物。その点、インフォマートが提供するBtoBプラットフォーム契約書は、GVA TECHの「AI-CON(アイコン)」と協業し、AIで契約書のリスク判定ができるという特色がある。
2015年のサービス開始以降、業界・会社規模を問わず導入企業数を伸ばし、2021年3月には「BOXIL SaaS AWARD 2021」のデジタル部門で1位を獲得するなど、高い評価を得ている。2020年9月には、宮崎県都城市で電子契約の実証実験を開始し、業界内でもいち早く地方自治体のデジタル化の推進に貢献している。
次に、不動産業界における電子契約書の現在の状況についてのインフォマートの見解が示された。
不動産業界向け「DX意識調査」115社・156人への対象アンケート結果(調査期間:2020年5月16日〜6月12日)では、「DXを取り入れたい業務」として、物件案内、契約、内見対応などが上位を占めた。
一方で、「コロナ後に導入・導入検討しているツール」としては、電子契約が15%とトップとなった。
アンケート結果から不動産業界では、コロナ禍を機に、これまで対面が基本であった物件案内、内見対応のDXが一気に加速。「電子契約書はこれから取り入れたいという企業が多い」(齋藤氏)ことが分かった。
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