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» 2019年12月10日 09時00分 公開

新建材:独自の遮音機構を設けたルーバーを開発、価格は従来品の半分以下 (1/2)

清水建設は、羽板部分に反射、吸音、共鳴の三つの音響要素を組み合わせた独自の遮音機構を付与した遮音ルーバー「しずかルーバー」を開発した。部材構成がシンプルで、製造はアルミ押し出し成形でほぼ完結するため、既存製品の50%〜80%程度のコストで採用可能。こういった利点もあり、設備機器の騒音問題に頭を抱える需要家の関心を集めている。

[BUILT]

 清水建設は2019年11月7日、建築物における屋上や地上部に設置された設備機器の騒音問題の解決を目的に、低価格でありながら高い遮音性能と通気性を備えたアルミ製ルーバー「しずかルーバー」を開発・製品化した。

3つの遮音機構で騒音を防ぐ

 近年、都市の密集化により、オフィスビルや商業ビルなどの業務施設と住宅が近接する地域が多くなり、業務施設の屋上や地上部に設置された設備機器が発する騒音が近隣トラブルに発展するケースが少なくないという。騒音対策の1つとして、設備機器の性能維持に必要な通気性を確保するとともに、遮音効果も発揮するルーバー材で設備機器の周囲を覆う手法が採用されている。

 だが、既存の遮音ルーバーは、羽板に内蔵した大量の吸音材により騒音低減を図る製品で、羽板の形状が大型化・複雑化していることに起因して価格が高く、容易に採用できないのが現状だ。

しずかルーバーの形状(左から、側面、側面の断面、正面) 出典:清水建設

 こういった問題を解決するため、清水建設は、吸音材だけに頼らない遮音機構により、製造コストが低く、シンプルでコンパクトな形状を実現した遮音ルーバー「しずかルーバー」を開発した。

 しずかルーバーは、羽板間の通気経路に設けた3つの遮音機構により、高音域から低音域まで幅広い周波数帯に対して騒音低減効果を発揮する。

 3つの遮音機構のうち特に高音域に有効なのが、羽板の先端形状を利用した音の反射機構。具体的には、通気経路下側の羽板先端の放物線部と、その対面に位置する羽板の円弧部を反射板として利用し、通気経路に進入した騒音を放物線部から円弧部、円弧部から放物線部へと反射させていくことで音源側に戻す。

しずかルーバーの遮音機構(上から高温域用の発生音が元に戻る反射板、低〜高音域用の耐候性吸音材、中音域用のスリット共鳴器) 出典:清水建設

 一方、低音から高音までの広い周波数帯域の騒音低減に貢献するのが、羽板の中空部分に内蔵した耐候性吸音材による吸音機構。吸音材には耐候性、防水性に優れる不燃性ポリエステル吸音材を使用している。

 さらに、中音域の騒音低減機能を高めるため、共鳴現象を利用した遮音機構を導入。具体的には、通気経路上にスリット共鳴器を組み込むことで、共鳴周波数付近の騒音成分を遮断する。この共鳴周波数を適切な帯域に設定することで、全体として高い遮音効果を生む。

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