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» 2021年06月18日 10時00分 公開

50坪以下の貸店舗、募集物件数は“前年比+61.2%”と大幅増!飲食店可物件が増加〜東京〜不動産市場の「今」を知る――アットホームラボ調査レポート(3)(1/2 ページ)

東京都などの緊急事態宣言は解除見通しながら、人の流れを抑える動きは依然続いています。対象地域の飲食店が嘆く姿を報道で目にしたり、繁華街で空き店舗を見掛けることも多いのではないでしょうか。そこで今回は、アットホームが先日公表した「50坪以下の貸店舗の募集動向」から、2020年下期(2020年10月〜2021年3月:以下、今期)の状況を詳しく見ていきます。

[磐前淳子(アットホームラボ データマーケティング部 部長),BUILT]

賃料は、条件別・フロア別全タイプで前年同期を上回る

 東京9エリア※1全体の今期の募集賃料(以下、賃料)は、条件別・フロア別全タイプで前年同期比プラスとなっています。

 条件別で見ると、飲食店可※2が2万4633円/坪、飲食店不可が1万7396円/坪。飲食店可が飲食店不可を7237円(41.6%)上回りました。

 また、フロア別で見ると、1階が2万4176円/坪、1階以外が2万167円。1階が1階以外を4009円(19.9%)上回りました。

 条件やフロアによる賃料差の背景は一概には言えないものの、飲食店の場合は、人の出入りが多く傷みやすいなどの理由から入居可能な物件が限定的で供給量が少ないことや、ダクトなど専用設備の設置・維持に費用が掛かるため高くなりがちといわれています。また、1階店舗は、通行人の目につきやすく売上確保にも有利とされるため、その他の階より比較的高賃料となります。

 なお、賃料上昇の要因は、コロナ禍で閉店や縮小を余儀なくされたことにより、好立地・好条件の店舗の空室が増えてきているのが主因と考えられます。これらの物件は周辺相場より高い賃料設定であるケースが多く、募集賃料相場を引き上げてしまいます。不動産店からも「高額賃料の店舗が空き、決まりづらくなった(豊島区)」「15坪以下の小箱傾向に拍車(はくしゃ)が掛かっている(豊島区)」といった声が聞かれます。

※1 東京9エリア:銀座、新橋・虎ノ門、六本木、渋谷、原宿・表参道、恵比寿・目黒・中目黒、新宿、池袋、上野・浅草の9エリア

※2 飲食店可:出店可能業種として飲食店OK

賃料トップ3には「銀座」「原宿・表参道」「渋谷」がランクイン

 では、条件別・フロア別の賃料上位エリアを見てみましょう。今期、東京で飲食店可の賃料が最も高かったのは、「渋谷」の3万228円/坪です。前年同期比+11.6%と上昇率も高いです。一方、飲食店不可の賃料の1位は「原宿・表参道」の2万1978円/坪、前年同期比は+4.5%でした。

 次に、フロア別の賃料を見てみると、1階で最も高かったのは「銀座」の3万1435円/坪です。前年同期比+26.1%と大幅に上昇しています。「銀座」は1階以外の賃料も1位ですが、2万3826円/坪で、前年同期比は+0.0%と変化はありませんでした。

 条件別・フロア別の賃料トップ3には、どのタイプにも「銀座」「原宿・表参道」「渋谷」といったほぼ同じ顔ぶれがランクインしています。

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