日機装は、ウエルシア薬局とスギ薬局の店舗で空間除菌消臭装置「Aeropure」を発売する。Aeropureの実店舗での販売は日機装として初となる。
日機装は、ウエルシア薬局とスギ薬局の店舗で空間除菌消臭装置「Aeropure(エアロピュア)」を発売することを2021年6月10日に発表した。
ウエルシア薬局では、関東近県の10店舗で6月8日から取り扱いを開始し、スギ薬局では東名阪を中心とした10店舗での販売を近日中にスタートする。Aeropureの設置店舗は順次拡大を予定している。販売方法は、Aeropureの8畳用「Aeropure Series S」を店頭に展示し、顧客が店舗で購入の申込みと支払いをした後、別日に店舗で引き渡しする手法を採用している。
Aeropureは、菌やウイルスのDNAとRNAに直接作用し増殖を防ぐ深紫外線LEDの除菌技術を活用した装置で、2020年1月に受注生産で発売された。搭載された深紫外線LEDは、日機装が、名古屋大学 工学研究科 電子工学専攻 天野浩教授の協力を得て開発したもので、2015年に量産化に成功し、2021年にはこの深紫外線LEDをブランド「SumiRay」と名付けて展開している。
Aeropureの特徴は、周辺の空気を内部に取り込んで、深紫外線LEDで劣化しない金属触媒フィルターで空気中にあるウイルスと菌を捕捉し、SumiRayで深紫外線を照射し、不活化する点。除菌工程は遮蔽された装置の内側で行われるため、人体に有害とされる深紫外線が外に漏れない。ラインアップは、Aeropure Series Sや20畳用の「Aeropure Series M」、空調ダクト用の「Aeropure Series D」といった3種類。
2021年6月10日に開かれた記者説明会で、日機装 代表取締役社長 甲斐敏彦氏は、「Aeropureは、2020年の発売以降、新型コロナウイルス感染症対策になりうる点も評価され、多くの受注を受けた。しかし、2020年の段階では、Aeropureに取り付けるSumiRayの技術的なハードルで安く大量に製造することが困難だった他、コロナ禍の影響もあり、Aeropureを十分に供給できなかった。だが、現在は、2021年初旬にSumiRayの生産体制を整備したことで、大量のAeropureを安定供給することが可能になっている」と現状について語った。
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