利用関係別に新設住宅戸数の推移を見ると、2007年度は貸家が前年度の53万8000戸から43万1000戸(対前年度増減率▲19.9%)に、マンションが同24万2000戸から16万戸(同▲33.9%)と大幅に減少(図表3)。2009年度についても貸家が前年度の43万1000戸から31万1000戸(同▲27.8%)、マンションが同16万5000戸から6万7000戸(同▲59.4%)と大幅な減少となっている。2014年度は、貸家とマンションの下落幅はそれほど大きくなかったが、持家が2013年度の35万3000戸から27万8000戸(同▲21.2%)と大幅減。
また、貸家については2015年1月に施行した相続税法改正の影響から、節税のために貸家を立てる人が増加したことにより、2014年度の35万8000戸から2016年度には42万7000戸(対2014年度比+19.3%)に増加したが、その後は減少トレンドに陥っている。
新設住宅市場のこれまでの推移は、「法改正」「消費増税」「リーマンショック」「新型コロナウイルス感染症拡大」などの外的要因に大きな影響を受けながらも、近年は基本的に減少トレンドに入ってきていると言えそうである。
ここで、将来の住宅新設戸数に大きな影響を与える要素となる総世帯数の将来推計に目を向けると、2025年以降は減少に転じ、2030年には5348万4000世帯(対2025年比▲1.2%)、2035年には5231万5000世帯(対2030年比▲2.2%)、2040年には5075万7000世帯(対2035年比▲3.0%)になると推計されている(図表4)。このように今後、総世帯数が減少することを踏まえると、経済情勢や税制などの変更により、多少の増減はあるだろうが、将来的には新設住宅戸数は減少傾向になると推測される。
ヒューマンリソシア総研
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