“慶應大予防医療センター”が虎ノ門・麻布台の超高層ビルに拡張移転、「街のウェルネス」を担う核にプロジェクト(1/2 ページ)

慶應義塾大学病院予防医療センターが、虎ノ門・麻布台地区で開発が進む再開発事業のA街区メインタワーに移転することが決まった。予防医療センターを核に、スパ、フィットネスクラブ、レストランやフードマーケットといった施設や広場、菜園ともメンバーシッププログラムでつなぎ、外部施設や医療機関とも連携しながら、世界中で抱えている諸問題に対する1つの解として、再開発事業全体のコンセプトでもある真に豊かな「ウェルネス」を提示する。

» 2021年03月31日 13時00分 公開
[BUILT]

 慶應義塾と森ビルは2021年3月30日、2023年に開業を予定している「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業(虎ノ門・麻布台プロジェクト)」のメインタワーに、東京都新宿区の慶應義塾大学病院予防医療センターを拡張移転させることを公表した。

虎ノ門・麻布台再再開発のA街区メインタワー5〜6階に拡張移転

「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」の完成イメージパース 出典:慶應義塾、森ビル

 慶應義塾大学病院予防医療センターは、2012年の開設以来、高度な検査・診断技術に基づく人間ドックや各診療科が協力したアフターケアの提供を通じて、年間約6000人強にも上る受診者の病気の早期発見や治療に貢献してきた。今回、予防医療センターを虎ノ門・麻布台台地区A街区メインタワーの5〜6階に移転し、検査機器の更新を併せて行い、個別化する受診者ニーズに応じた予防医療を展開するとともに、混雑状況の緩和も図り、より多くの患者が受診できる環境を整備する。また、「健康寿命の延伸」へのさらなる貢献を目的に、これまでの人間ドックの実績をベースにして、受診者それぞれのニーズやリスクに応じた最適な健診プログラムも行っていく。

 センター完成に先立ち、2021年4月には、慶應義塾と森ビルの基本協定を締結に伴う「ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座」を設置。共同研究講座では、森ビルが管理・運営する実際の「街(ヒルズ)」を対象に研究活動を開始し、予防医療センターとともに予防医療のさらなる発展に向けて、研究成果に基づく新たな予防医療・ウェルネスサービスの社会実装と、産学協働の推進力となる人材を育成する。

「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」の概要 出典:慶應義塾、森ビル

 虎ノ門・麻布台プロジェクトは、A、B-1,2、Cの4街区で構成され、総延べ床面積は約86万1500平方メートル、オフィス総貸室面積は約21万3900平方メートル、住宅戸数は約1400戸の開発規模。就業者数は約2万人、居住者数は約3500人、想定年間来街者数は2500〜3000万人を見込み、スケールとインパクトは六本木ヒルズ(延べ約75.9万平方メートル、貸付面積約19万平方メートル、住戸数840戸)に匹敵する。総事業費は約5800億円で、2023年3月の竣工を目標に、2019年8月に着工している。

「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」の平面図 出典:慶應義塾、森ビル
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