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» 2021年03月15日 10時00分 公開

東京の小規模オフィス、コロナ禍で募集物件が140%超に急増。山手線南西部の増加が顕著不動産市場の「今」を知る――アットホームラボ調査レポート(2)(1/2 ページ)

本連載では、不動産に関する各種データや不動産仲介の現場から集めたリアルな声をもとに、アットホームラボの磐前淳子氏が最新の市場動向について解説していきます。今回は、東京都の主要20エリアにおける2020年下期(7〜12月)の小規模オフィスを対象にした賃料動向を分析していきます。

[磐前淳子(アットホームラボ データマーケティング部 部長),BUILT]

 コロナ禍で、大規模オフィスの空室率上昇が話題になっていますが、アットホーム不動産情報ネットワークでは小規模オフィスの登録・公開が比較的多いため、今回は、アットホームラボが調査した「小規模オフィス(50坪以下)の募集賃料動向」から、東京都の主要20エリアにおける2020年下期(7〜12月)の状況を解説します。

東京の小規模オフィス募集賃料は、小幅ながら上昇し12年下期以降最高値

 まずは東京20エリアの募集賃料(以下、賃料)の推移を見てみましょう(図表1)。小規模オフィスの賃料は2012年下期以降、おおむね上昇が続いています。新型コロナウイルス感染拡大以降も堅調で、直近の20年下期の賃料は、超小型(5〜25坪)が前期比+1.5%の1万3410円/坪、小型(25〜50坪)が前期比+1.1%の1万5315円/坪と小幅ながらも上昇が継続、2012年下期以降最高値を更新しました。

【図表1】東京20エリアの賃料推移 出典:「小規模オフィス(50坪以下)の募集賃料動向 ー2020年下期(7〜12月)ー」発行:アットホーム/分析:アットホームラボ、2021年2月19日公表

「銀座」「渋谷」の超小型オフィスは賃料が上昇、築浅物件の募集増が一因

 次に、エリア別賃料トップ5を見ると、超小型・小型どちらも上位5エリアは同じ顔ぶれがランクインしています(図表2)。

 エリア別で最も高額だったのは、超小型では「銀座」です。賃料は前期比+8.6%の2万212円/坪で、前期に続いて賃料トップをキープしています。2位は「渋谷」で、同+6.1%の1万6966円/坪。前期の4位から2ランクアップしました。「銀座」も「渋谷」も賃料上昇率が高いですが、これは築浅の募集物件が増えたことが影響しています。

 一方、小型で最も高額だったのは「渋谷」です。賃料は前期比+0.6%の2万1400円/坪で、前期の2位から順位を上げてトップになりました。続く「銀座」は、大きく上昇した超小型とは一変し、同−9.1%の1万9966円/坪と下落し、2位となりました。

【図表2】東京20エリア別の賃料トップ5 出典:「小規模オフィス(50坪以下)の募集賃料動向 ー2020年下期(7〜12月)ー」発行:アットホーム/分析:アットホームラボ、2021年2月19日公表

20年12月の募集物件数は前年同月比140%超

 ここからは目線を変え、募集物件の「数」の変化に注目します。アットホームの不動産情報ネットワークに登録・公開される物件数は、コロナ以前の140%超に至ります。東京20エリア全体における小規模オフィスの月ごとの募集物件数※1を見ると(図表3)、2020年4月の緊急事態宣言までは減少傾向にありましたが、5月下旬に解除されてからは一気に増加し、2020年12月の物件数は前年同月比141.2%にもなりました。これは、オフィス需給の締まりを背景に、空室が少なく募集も減っていたところに、コロナ禍を契機に空室が増加し、それに伴い募集物件も増加していることによるものです。

※1 ここでは5〜50坪の小規模オフィスを合算

【図表3】2019年1月から2020年12月までの募集物件数推移(19年1月=100%) 出典:「小規模オフィス(50坪以下)の募集賃料動向 ー2020年下期(7〜12月)ー」発行:アットホーム/分析:アットホームラボ、2021年2月19日公表
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