S3では、意匠・構造・設備のモデルをクラウド上で統合し、BIM 360の指摘事項やモデルコーディネーションの機能で、納まりの確認などの意見交換を行った。
モデルコーディネーションの機能は、自動的に干渉部分を抽出してくれるので、便利な機能だが、チェックする必要が無い多くの干渉部分が抽出されてしまうので、利用に際しては明確なルール作りが肝要となる。
自動的に抽出された干渉部分をチェックし、問題のある部分に対し、指摘事項を発行し、解決策を求める。回答を受領したうえで、承認を行うことまで、BIM 360の機能で処理を行える。
当初は、リンクされた状態で、ワークシェアリングによって、意匠・構造・設備が同時に設計作業を行うことによって、こうした干渉部位はかなり減ると予想していた。しかし、思った以上に干渉部分が発見されたのは、設計作業を行う中で、意図的に干渉部分を調整するといった作業がそれほど行われていかなったからだと考えられる。この連携事業で、これらの問題点も顕在化した。
当社の見積部門でも、3D拾いが進んでおり、基礎と内部仕上げに「NCS/HELIOS(ヘリオス)」、鉄骨に「すけるTON」を用いている。躯体連携については、数のように構造モデルを変換して、基礎のHELIOSと鉄骨のすけるTONにダイレクト連携で数量算出した。その結果、躯体連携で、従来よりも20%作業効率が上がった。
仕上げのHELIOSのBIM連携には、かなり前から着手しているが、なかなか目に見えるほどの効率化には至っていない。なお、外構は、Revitのみで数量を算出している。意匠設計が決められたルール通りモデルを作ることが大切だが、連携自体が必要ないので、作業効率は40%アップできた。
見積連携に関しては、仕上と設備の数量算出が今後の課題であるが、躯体連携と外構数量算出は既に実務で活用を始めている。
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