大阪不動産マーケティング協会は、会員企業の31社を対象に、近畿圏の新築分譲マンションにおける市況に関して調査した。結果、新型コロナウイルス感染症の影響で、モデルルームへの来場者が減少している他、近畿圏で新築分譲マンションの需要が低迷している一方で、大阪市都心部ではニーズがあり、一部好調な企業が存在することが明らかになった。
大阪不動産マーケティング協会は、会員企業の31社を対象に、近畿圏の新築分譲マンションにおける市況に関して、メールもしくはFAXを用いたアンケート調査を2020年12月23日〜2021年1月26日に行い、結果を「第8回近畿圏新築分譲マンション市況アンケート調査」として2021年2月18日に発表した。
対象企業の内訳は、デベロッパーが16社、不動産販売会社は2社、広告代理店は7社、調査会社は6社。
調査結果によれば、「2020年(1〜12月)の新築分譲マンションマーケットを振り返ると、どのような市場であったか。地域別に答えてください」と、対象企業に質問したところ、大阪市都心部については、「まあまあの市場」と答えた企業が全体の35.5%で最多。次いで、「好調な市場」は32.3%で、「やや不調な市場」は16.1%、「二極化・多極化市場」は9.7%、「不調な市場」は6.5%と続いた。
その他大阪市については、「まあまあの市場」と回答した企業が全体の51.6%で最も多かった。次に、「不調な市場」は16.1%で、「やや不調な市場」は12.9%、「二極化・多極化市場」は9.7%、「好調な市場」「その他」「無回答」はいずれも3.2%となった。
大阪府北部を指す北摂(ほくせつ)に関しては、「まあまあの市場」と答えた企業が全体の45.2%で最多。次いで、「やや不調な市場」は35.5%で、「二極化・多極化市場」は9.7%、「好調な市場」は6.5%、「不調な市場」は3.2%となった。
大阪府東部については、「まあまあの市場」と回答した企業が全体の35.5%で最も多かった。次に、「やや不調な市場」は29.0%で、「不調な市場」は19.4%、「その他」は9.7%、「二極化・多極化市場」と「無回答」はどちらも3.2%。
大阪府南部に関しては、「まあまあの市場」と答えた企業が全体の41.9%で最多だった。次に、「やや不調な市場」は22.6%で、「不調な市場」「その他」はともに9.7%、「好調な市場」「無回答」はともに6.5%だった。
兵庫県の神戸市と大阪市に挟まれた地域の阪神間については、「やや不調な市場」と回答した企業が全体の38.7%を占めた。次いで、「まあまあの市場」「やや不調な市場」はともに25.8%、「二極化・多極化市場」は6.5%、「好調な市場」は3.2%となった。
神戸市に関しては、「まあまあの市場」と答えた企業が全体の48.4%で最多。次に、「やや不調な市場」は22.6%で、「好調な市場」「二極化・多極化市場」はともに9.7%、「不調な市場」は6.5%、「無回答」は3.2%。
京都市については、「まあまあの市場」と答えた企業が全体の58.1%で半分以上を占めた。次に、「やや不調な市場」は16.1%で、「二極化・多極化市市場」は9.7%、「好調な市場」「不調な市場」はともに6.5%、「その他」は3.2%となった。
その他のエリアに関しては、「やや不調な市場」と答えた企業が全体の35.5%で最も多かった。次に、「まあまあの市場」は32.3%で、「その他」は12.9%、「不調な市場」「二極化・多極化市場」「無回答」はいずれも6.5%だった。
近畿圏における2020年のマンション市場を良好とする企業は少ない一方で、大阪市都心部については好調と回答する企業が32%を占め、都心部での需要の大きさが見られた。
「2020年の新築分譲マンションマーケットにおけるモデルルーム来場者数は、2019年に比べどうだったか。地域別に答えてください」という質問では、大阪市都心部について、「変わらない」「減った」という回答がともに全体の35.5%を占め、最多だった。次に、「やや減った」は16.1%で、「供給無し・不明」は9.7%、「やや増えた」は3.2%。
その他大阪市については、「やや減った」と答えた企業が全体の32.3%で最も多かった。次いで、「減った」は29%で、「供給無し・不明」は22.6%、「変わらない」は16.1%となった。北摂に関しては、「やや減った」と回答した企業が全体の32.3%で最多。次に、「変わらない」「減った」はともに25.8%で、「供給無し・不明」は16.1%。
大阪府東部については、「供給無し・不明」と回答した企業が全体の38.7%を占めた。次いで、「減った」は32.3%で、「やや減った」は16.1%、「変わらない」は12.9%だった。大阪府南部に関しては、「供給無し・不明」と答えた企業が全体の41.9%で最多。次に、「減った」は25.8%で、「変わらない」は19.4%、「やや減った」は12.9%の順。
阪神間については、「減った」「やや減った」という回答がともに32.3%を占めた。続いて、「変わらない」は22.6%で、「供給無し・不明」は9.7%、「やや増えた」は3.2%。神戸市に関しては、「供給無し・不明「減った」という回答がともに32.3%だった。次に、「やや減った」が19.4%で、「変わらない」は16.1%となった。
京都市については、「供給無し・不明」と答えた企業が全体の29.0%で、最も多かった。次いで、「減った」「変わらない」はともに22.6%となり、「やや減った」は19.4%、「増えた」「やや増えた」はともに3.2%だった。その他のエリアに関しては、「供給無し・不明」と回答した企業が全体の35.5%で最多。次に、「減った」は29%で、「変わらない」は16.1%、「やや減った」は12.9%、「やや増えた」は6.5%。
近畿圏におけるモデルルームの来場者数は、京都市では増加が見られたが、全体的には減少傾向にあることが判明した。
また、今回の調査結果と、2018年と2019年に行った同内容のリサーチで判明したデータを比較すると、モデルルームの来場者が増えたという回答は2018年時点で3.6%と少なく、マンション市況は2018年にやや低調となり、2019年に悪化し、2020年はさらに状況が悪くなったと見て取れる。
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