BAS「Metasys」の新バージョンはセキュリティリスクを可視化するダッシュボードを搭載BAS(1/3 ページ)

ジョンソンコントロールズは、新型コロナウイルスと共存する新たな業務形態「ニューノーマル」に適応する事業体制を構築するとともに、新型コロナウイルス対策となるビル設備の開発を進めている。

» 2020年06月04日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

 ジョンソンコントロールズは2020年5月29日、Webコミュニケーションツール「Microsoft Teams」を用いて、オンラインで新製品記者発表会「ジョンソンコントロールズオンラインラウンドテーブル」を開催した。

 発表会では、ジョンソンコントロールズ 代表取締役社長 吉田浩氏や営業推進本部 営業開発統括部 営業1部長 渡邉匡史氏、ソリューション開発本部プロダクトマネジメント部 BAS/VACSチーム 鈴木智幸氏が、事業戦略と新製品を紹介した。

社内に新テレワーク制度を設立

ジョンソンコントロールズ 代表取締役社長 吉田浩氏

 冒頭、吉田氏は、独自に取り組む新型コロナウイルス対策やアフターコロナの事業展望を明かした。コロナ対策としては、2020年6月1日に新テレワーク制度を導入し、幅広い業種の社員に週2〜3回程度テレワークの実施を推奨するとともに、テレワークの補助手当を支給した。同時に現場作業中心のフロントオフィスには、直行直帰を勧めている。

 「ジョンソンコントロールズでは、緊急事態宣言が発令している際に、自治体の指導のもと、営業部門やフィールドエンジニアといったフロントオフィスで85%、バックオフィスの内勤者で90%がテレワークに挑戦した。その後、社内調査を行った結果、社員の7割がテレワークでも生産性が落ちていないことが分かり、新テレワーク制度を立ち上げた」(吉田氏)。

 また、ペーパーレス化や電子承認の拡大を進めるとともに、有給休暇の取得推奨や出産時にも使える有給育児休暇の導入、ノー残業デーの設定、オフィスの営業時間を20時までにするなど、働き方改革を前進させ、企業価値を高めている。

 事業展望としては、新型コロナウイルスと共存する新たな業務形態「ニューノーマル」に対処する製品カテゴリー「より良い建物環境を実現するサービスの提供」「ユーザーエクスペリエンスとウェルネスの向上」「より安全な世界の実現」「サステナビリティの実現」「新しい働き方への対応」を掲げる。

「ニューノーマル」に対処する5つの製品カテゴリー

 5つのカテゴリーのうち、より良い建物環境を実現するサービスの提供では、リモートでのモニタリングとメンテナンスが行えるサービスやITとOT(Operational Technology)を組み合わせた施設管理システムをラインアップし、ユーザーエクスペリエンスとウェルネスの向上では、空気洗浄と室内消毒を自動化するソリューションやサーマルカメラを活用した体温検知と感染者追跡による感染予防システムを用意する。

 より安全な世界の実現では、入退室と位置情報の管理を再定義した製品や3密(密接・密集・密集)をコントロールするソリューション、リモートワークのニーズを踏まえたサイバーフィジカルセキュリティシステムを備える。サステナビリティの実現では、BCP(Business Continuity Plan)対策やESG(Environment、Social、Governance)のレポーティング、温室効果ガスの削減に役立つサービスをラインアップし、新しい働き方への対応では、リモートワークやソーシャルディスタンスの維持を支援するシステムを供給する。

 吉田氏は、「新型コロナウイルス感染拡大を防ぐソリューションを提供するだけでなく、建物自身が状況やデータを理解、学習、推測する次世代ビル“コグニティブビル”を開発し、業界をリードする」と方策を示した。

コグニティブビルのイメージ
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