DJIは、約32万画素を誇るHD解像度のサーマルカメラと、1/2インチCMOSセンサーを搭載した4800万画素のビジュアルカメラを備え、プラントや工場、インフラの点検で役立つ業務用ドローン「Mavic 2 Enterprise Advanced」を開発した。
DJIは2020年12月15日、業務用ドローン「Mavic 2 Enterprise Advanced」を2021年4月以降に発売することを発表した。
従来機の「Mavic 2 Enterprise」は、プラントや工場、インフラの点検で頻繁に使用されていたが、利用者からは、メンテナンス業務を円滑に進める目的で、Mavic 2 Enterpriseに搭載されたサーマルカメラやビジュアルカメラなどの性能向上が望まれていた。そこで、DJIはサーマルカメラやビジュアルカメラなど主要機能を従来機よりアップグレードしたMavic 2 Enterprise Advancedを開発した。
Mavic 2 Enterprise Advancedは、約32万画素を誇るHD解像度のサーマルカメラと、1/2インチCMOSセンサーを搭載した4800万画素のビジュアルカメラを備えているため、現場の対象を迅速に高精度で撮影できる。サーマルカメラは、30Hzフレームレートと±2度の温度測定精度に対応している。
両カメラを用いて、Mavic 2 Enterprise Advancedを利用するユーザーは、点検の計画に合わせ、ビジュアル、サーマル、分割ビューの各モードに切り替えて、対象を撮れる他、4K動画も撮影可能。Mavic 2 Enterprise Advancedの高解像度カメラセンサーは、32倍デジタルズームと16倍サーマルズームに応じているため、オペレーターは、空撮でしか見られない部分も細部まで見られる。
Mavic 2 Enterprise Advancedの画面には対象物の平均温度が表示されるので、パイロットは安全な距離を保ちながら、重要または危険な対象物を監視し、温度を測れる。平均温度や最低温度、最高温度をそれぞれのエリアに一致する位置で表示されるので、点検員は対象物を素早く評価し、過熱しているかどうかも判断できる。
また、Mavic 2 Enterprise Advancedには、DJI製のRTKモジュールを取り付けられ、センチレベルの測位を実現する。具体的には、RTKモジュールを用いて、オペレーターは、最大240個のウェイポイント(経由点)を作成でき、複雑な環境でも、自動で綿密な点検ミッションを遂行可能。RTKモジュールは、インターネットを介してDGPSデータを配信するためのプロトコル「NTRIP」に対応しているため、各機材がインターネットに接続しているかも調べられる。
各カメラやRTKモジュールで得られた情報は、Mavic 2 Enterprise Advancedに内蔵された24GBのオンボードデータストレージに残せる。オンボードデータストレージは、パスワード保護機能を備えており、パスワード保護機能はデータストレージのセキュリティを強化し、機体の物理的破損からもデータを守る。
Mavic 2 Enterprise Advancedのセキュリティ性に関して、Mavic 2 Enterprise Advancedは、DJI Enterprise製品に特化した多様なデータ保護機能で、ユーザーがドローンで取得した写真や動画、フライトログといったデータを守る。データを保護する機能の1つとして、操縦アプリ「DJI Pilot」でMavic 2 Enterprise Advancedを操作する場合に使えるローカルデータモードがある。
ローカルデータモードは、DJI PILOTでドローンのインターネット通信を止められるため、重要なインフラ点検のデータなど機密性の高い情報が漏えいすることを防げる。また、機体と専用リモートコントローラー間の無線リンクは、AES-256で暗号化されており、操作データが流出しにくい。
Mavic 2 Enterprise Advancedの接触事故防止機能には、飛行機とヘリコプターからのADS-B信号を受信し、周辺を飛行するドローンのパイロットに警告する「AirSense システム」と、6方向の障害物検知機能がある。
Mavic 2 Enterprise Advancedの最大飛行時間は31分で、最大飛行速度は時速72キロ。動画とデータ伝送のシステムは「Ocusync 2.0」で、伝送距離は最大10キロ。Ocusync 2.0は、耐干渉性も高く、2.4GHzと5.8GHzの両周波数帯に対応し、アップリンクとダウンリンクのデータストリームが異なる周波数も使える。
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