フジタは、大和ハウス工業やイワタニとともに、有機系材料と無機系材料を併用したハイブリッド型の芯材を内蔵した「有機系ハイブリッド型のサンドイッチパネル」を開発し、国際標準化機構規格の「実大自立型ルームコーナー試験」における20分加熱試験で優れた防火性能を確認した。
フジタは、大和ハウス工業やイワタニと共同で、東京大学 大学院工学系研究科 教授 野口貴文氏の指導を受け、高い不燃性能を備える「有機系ハイブリッド型のサンドイッチパネル」を開発した。
サンドイッチパネルは、コンクリートなどの壁に比べて軽いことから建物施工時の省力化や工期短縮を可能とする材料。芯材に有機系断熱材を用いたサンドイッチパネルは、高い空間保温性能を搭載しており、冷凍冷蔵倉庫やクリーンルームなどで多く採用されている。
有機系ハイブリッド型サンドイッチパネルは、有機系材料と無機系材料を併用したハイブリッド型の芯材を内蔵しているため、火災時の加熱によるパネル内部の燃焼を防止する。さらに、パネル嵌合部をメカニカルに強固に固定し、嵌合部からの炎の侵入を防ぐ。
フジタは、有機系ハイブリッド型サンドイッチパネルの性能を確かめるために、防火材料の性能評価試験「コーンカロリーメーター試験(ISO5660の発熱性試験)」を行い、性能評価で基準を満たした。
また、建物の内装用に区画構成されたサンドイッチパネルの防火性能を評価するために国内で開発された「中規模自立型模型箱試験(JIS A 1320)」と、冷凍冷蔵倉庫やクリーンルームなどをサンドイッチパネルで構築する際の区画設計技術に関して、延焼拡大防止や倒壊防止性能を評する試験「実大自立型ルームコーナー試験(ISO13784-1)」でも、有機系ハイブリッド型サンドイッチパネルが優れた防火性能を備えていることを確かめた。
フジタは今後、有機系ハイブリッド型サンドイッチパネルの商品化に向けた取り組みを進めていく。
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